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12. 経営戦略の理論と管理会計

戦略は、限られた資源の使い方を選ぶこと

Section titled “戦略は、限られた資源の使い方を選ぶこと”

どの市場・顧客へ、どんな価値を、競合とどう異なる方法で届けるか。経営戦略は、これらを踏まえて資源を配分し、何を行わないかも決めます。管理会計は、その選択に必要な顧客・活動・原価・収益の情報を作ります。

視点調べる内容管理会計への接続
マクロ環境(PEST等)政治・制度、経済、社会、技術の変化需要・賃金・金利・為替のシナリオ
顧客・競合・自社(3C)顧客の課題、競合の提供価値、自社の強み顧客別・商品別の価格、数量、利益
競争環境(5フォース)既存競争、参入、代替品、買い手・売り手の交渉力値引き圧力、仕入条件、利益率の持続性
内部資源(VRIO等)資源の価値、希少性、模倣の難しさ、組織の活用能力技術・人材・情報への投資と維持費
SWOT強み・弱みと機会・脅威を整理する重要な仮説を戦略と計画へ変換する

フレームワークは問いを整理する道具です。項目を埋めただけでは優位性や実現可能性を証明できません。現場・顧客調査とデータで仮説を検証します。

青葉社の顧客が「欠品を避けたいが大量在庫は持てない」と考え、競合は大口・低単価に強いとします。自社は小口配送と受注処理に強みがあり、戦略として「小口・短納期」を選びます。

月1,000個、単価1,000円、1個当たり変動製造費600円なら、出荷関連費控除前の限界利益は40万円。出荷が100件・1件1,000円なら10万円を引き、残り30万円です。同じ1,000個でも出荷20件なら費用2万円、残り38万円。売上数量だけでは、活動の違いが分かりません。

短納期の価値に見合う価格・取引条件を設計し、受注入力・倉庫・配送を改善する。ABCの活動情報と、顧客にとっての価値を同時に考えます。残りの金額は共通固定費等控除前で、会社全体の営業利益ではありません。

コスト・差別化・集中とバリューチェーン

Section titled “コスト・差別化・集中とバリューチェーン”

競争戦略にはコスト優位、差別化、特定の顧客・領域への集中といった考え方があります。安くすることだけがコスト戦略ではなく、価値を届ける活動全体の設計が必要です。複数の手段を使う場合も、提供価値と活動が整合しているかを確認します。

バリューチェーンは調達、製造、物流、販売、サービスや、それを支える人材・情報等の活動を捉えます。活動別のコストドライバーを測り、無駄を減らすと同時に顧客価値を損なわないかを調べます。原価計算とABC、経済学の価格と需要も参照してください。

期待される注文数、単価、配送頻度、設備・人員、運転資金を仮定して予算を作り、基準・上振れ・下振れで利益と資金を試算します。予算に入れる仮定には出典・担当者・更新日を記録します。過去の相関は因果関係とは限らず、競合反応や能力制約で結果が変わります。予想技法とBSCで実行・検証へつなげましょう。

同じ売上と製造数量で、出荷件数が100件から60件へ減り、1件当たり出荷費が1,000円のままなら、出荷費控除後の金額はいくら変わりますか。

解答・解説

出荷費が10万円から6万円になり、他の条件が同じなら4万円増えます。固定給や委託契約の最低料金があれば、実際の支出が同額減るかは別に確認します。