手法選択・公式の早見表
計算前に決める四つのこと
Section titled “計算前に決める四つのこと”知りたい母数は平均・分散・比率・相関・回帰係数のどれか、標本は一つか二つか、二つなら独立か対応ありか、分布と分散に何を仮定するかを確認します。その後に推定か検定か、検定なら方向と有意水準を決めます。
このコースの標本分散s²は分母n−1。確率点 は左側累積p点です。下の式は、各章の正規性・独立性・標本の大きさなどの前提と一緒に使います。
| 問い | 分布 | 平均・分散 | 読む章 |
|---|---|---|---|
| 独立なn回中の成功数 | 二項B(n,p) | np、np(1−p) | 離散分布 |
| 一定区間の発生回数 | ポアソンPo(λ) | λ、λ | 離散分布 |
| 最初の成功までの試行数 | 幾何(1始まり) | 1/p、(1−p)/p² | 離散分布 |
| r回目の成功までの試行数 | 負の二項 | r/p、r(1−p)/p² | 離散分布 |
| N個中M個から非復元でn個 | 超幾何 | nM/N、有限母集団補正あり | 離散分布 |
| 区間内で一定の密度 | 一様U(a,b) | (a+b)/2、(b−a)²/12 | 連続分布 |
| 一定発生率での待ち時間 | 指数(率λ) | 1/λ、1/λ² | 連続分布 |
| 対称な山型のモデル | 正規N(μ,σ²) | μ、σ² | 連続分布 |
ベルヌーイは1回の0・1、幾何と負の二項は何を数えるかの定義、指数は率か平均かを確認します。
記述統計・関連・回帰
Section titled “記述統計・関連・回帰”Sxx・Sxyは、平均からの偏差の2乗和・積和です。ローレンツ曲線の下の面積Aから無補正ジニ係数は1−2A。偏相関、歪度・尖度の定義は分布の章と関連の章を参照してください。
確率変数の和と差
Section titled “確率変数の和と差”期待値の加法性に独立性は不要。分散では共分散が必要で、差の分散も、独立なら各分散を足します。条件付き確率は分母の集団を確認します。
1母集団の区間推定
Section titled “1母集団の区間推定”| 母数 | 1−α区間・方法 | 条件・注意 |
|---|---|---|
| 平均・母分散既知 | 正規性または正規近似 | |
| 平均・母分散未知 | 正規標本で正確なt区間 | |
| 分散 | 大きい点で割った方が下限 | |
| 比率 | 成功・失敗が十分多い近似 | |
| 相関 | atanh(r) ± をtanhで戻す | 2変量正規・十分な標本で近似 |
2母集団の手法選択
Section titled “2母集団の手法選択”| 比較 | 標準誤差・統計量の分母 | 基準分布 |
|---|---|---|
| 独立な平均差・母分散既知 | 標準正規 | |
| 独立な平均差・未知等分散 | t、自由度n1+n2−2 | |
| 独立な平均差・未知不等分散 | Welch近似自由度のt | |
| 対応ありの平均差 | t、自由度n−1 | |
| 分散比 | 比を帰無の比で割る | F、自由度n1−1・n2−1 |
| 独立な比率差0の検定 | 、pはプール比率 | 正規近似 |
平均差の統計量は、観測差から帰無の差を引いてSEで割ります。区間は観測差±確率点×SEです。比率差の区間推定では各群の標本比率を別々にSEへ入れ、等比率の検定とは分けます。分散比の区間とWelchの自由度式は第13章を確認してください。
分類・線形モデルの自由度
Section titled “分類・線形モデルの自由度”| 分析 | 自由度・公式 |
|---|---|
| 適合度 | k分類、m個の母数を推定:k−1−m |
| r×c表の独立性 | (r−1)(c−1) |
| 切片あり単回帰 | 回帰1、残差n−2 |
| 切片あり重回帰、説明変数k個 | 回帰k、残差n−k−1 |
| 一元配置、k群・N件 | 群間k−1、群内N−k |
| 回帰やANOVAのF比 | 説明する変動の平均平方 ÷ 誤差平均平方 |
分布表を読むための近似値
Section titled “分布表を読むための近似値”標準正規のq0.975 ≈ 1.96、q0.95 ≈ 1.645。tの自由度9のq0.975 ≈ 2.262。χ²の自由度9ではq0.025 ≈ 2.700、q0.975 ≈ 19.023です。正規以外は自由度を指定せずに点を決められません。
判断の注意点
Section titled “判断の注意点”p値はH0の確率ではなく、不棄却は同じという証明ではありません。信頼区間は個々の値の範囲ではなく、予測区間とも異なります。統計的有意と実用的な大きさを分け、独立性・代表性・モデルの形を確認して結論を述べましょう。