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14. 組織論と責任会計

管理会計の数字は、組織の誰がどの権限で、何を決めるかに合わせて作る必要があります。価格を決められない責任者へ価格差異だけを負わせたり、投資権限のない担当者を資産回転率だけで評価したりすると、改善につながりません。

形態特徴管理上の論点
職能別製造・営業・経理等の専門機能をまとめる専門性を生かしやすい一方、部門間の調整が必要
事業部制製品・地域・顧客等ごとに権限を分ける迅速な判断と責任の明確化、共通資源の配分が課題
マトリックス職能と事業等、複数の軸で管理する知識共有に役立つ一方、指揮命令・優先順位が複雑

集権化・分権化は二者択一ではなく、価格、採用、投資、品質等の権限を個別に設計します。現場に近い情報と、本社が持つ全社的な制約の両方を使う仕組みが必要です。

例題:受注部門と製造部門の目標がぶつかる

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営業部門を受注件数だけで評価すると、小口・短納期の注文が増える可能性があります。製造部門を単位製造原価だけで評価すると、大ロット生産を優先し、納期や在庫が悪化する可能性があります。

営業、製造、物流で「顧客別限界利益」「段取り回数」「納期遵守」「在庫日数」を共有し、受注条件の変更を協議します。件数や原価を単独で改善するより、顧客価値と全社利益・資金を合わせて判断します。

原価センターは費用、利益センターは収益と費用、投資センターは利益と投下資本にも権限を持つことを基本に設計します。実際の権限は組織ごとに異なります。

本社が契約した賃料や外部要因による材料価格を、現場責任者が短期に変えられない場合があります。管理可能な差異と、説明・共有が必要だが本人には制御できない差異を区別します。共通費の配賦は情報として示しても、配賦額が直ちに回避可能になるとは限りません。事業部評価で計算へ進みます。

注文番号・顧客・製品・工程・出荷・会計伝票を結び、誰がどの時点で記録・承認するかを決めます。記録漏れや二重計上を照合し、例外を現場が報告できる体制を作ります。内部統制は手続きを増やすだけでなく、適切な権限、情報、監視を目的に合わせることです。

設備投資を本社が決め、部門長に変更権限がない場合、部門ROIだけで部門長を評価してよいですか。

解答・解説

ROIは事業の資本効率を示す情報として有用ですが、責任者の評価には権限と管理可能性を考慮します。投資判断を含む事業評価と、本人が変えられる業績の評価を区別します。