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13. 正規分布・標準化・確率

過去の測定値だけでなく、同じ工程から今後生じる値の広がりを考えるため、確率分布を使います。正規分布は左右対称の釣鐘形で、平均 μ\mu が位置、標準偏差 σ>0\sigma>0 が幅を決めます。N(μ,σ2)N(\mu,\sigma^2) と書く流儀では第2引数が分散であることに注意します。

同じ平均でも標準偏差で広がりが変わる

平均0、標準偏差1(青実線)と2(橙破線)の理論密度。両曲線の全体の面積は1。曲線の高さそのものは確率ではない。

  • 青実線:平均0・σ=1
  • 橙破線:平均0・σ=2
グラフの数値を表で確認する
xσ=1の密度σ=2の密度
-40.0001340.026995
-20.0539910.120985
00.3989420.199471
20.0539910.120985
40.0001340.026995

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

連続分布では一点ちょうどの確率は0で、区間の面積が確率です。裾は無限に続くため、±3σの外は絶対に出ないという意味ではありません。

X∼N(100,22)X\sim N(100,2^2) mm、規格上限104mmと仮定します。標準化して

Z=X−μσ,P(X>104)=P(Z>104−1002)=P(Z>2)≈0.02275.Z=\frac{X-\mu}{\sigma},\qquad P(X>104)=P\left(Z>\frac{104-100}{2}\right)=P(Z>2)\approx0.02275.

上側だけなら約2.275%。下限96mmもあるなら P(96≤X≤104)=P(−2≤Z≤2)≈0.95450P(96\le X\le104)=P(-2\le Z\le2)\approx0.95450、両側の規格外は約4.550%です。片側と両側を取り違えないようにします。

累積分布関数を Φ(z)=P(Z≤z)\Phi(z)=P(Z\le z) とすれば、上側は 1−Φ(z)1-\Phi(z)、区間は Φ(b)−Φ(a)\Phi(b)-\Phi(a)、対称性は Φ(−z)=1−Φ(z)\Phi(-z)=1-\Phi(z)。表が上側確率、左側累積、0からzの面積のどれかを最初に確かめます。

区間正規モデルで入る確率の目安
μ±σ\mu\pm\sigma約68.27%
μ±2σ\mu\pm2\sigma約95.45%
μ±3σ\mu\pm3\sigma約99.73%

観測分布を何でも正規としない

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測定の丸め、複数工程の混合、片側に偏る量では正規近似が不適切な場合があります。工程が安定しているか、データに依存や外れた原因がないか、ヒストグラムや層別で確認します。推定した平均・標準偏差を使うと、その推定誤差も残ります。小標本の形だけで完全な適合は証明できません。

基礎は確率分布、式と他の分布との比較は連続分布へ。平均の分布と個々の値の分布の違いは標本分布が役立ちます。

平均50、標準偏差5の正規分布で、60を標準化した値と60超の確率は?

解答・解説

z=(60−50)/5=2z=(60-50)/5=2、確率は約0.02275です。10を分散25で割らず、標準偏差5で割ります。