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10. 正規・二項・ポアソンの推測

平均、割合、発生率のどれを比較したいか、独立標本か同じ対象の前後かを決めます。検定名をデータに当てはめる前に、母数・標本単位・仮定を書き出します。

対象統計量・分布注意
正規平均、分散既知Z=(Xˉ−μ0)/(σ/n)Z=(\bar X-\mu_0)/(\sigma/\sqrt n)帰無下で標準正規
正規平均、分散未知t=(Xˉ−μ0)/(S/n)t=(\bar X-\mu_0)/(S/\sqrt n)自由度 n−1n-1
正規母分散(n−1)S2/σ02(n-1)S^2/\sigma_0^2自由度 n−1n-1 のカイ二乗
独立2平均、分散不等Welchのt自由度も近似する
対応ある2平均差 DiD_i の1標本t元の2群を独立扱いしない
正規2分散S12/S22S_1^2/S_2^2正規性の逸脱に敏感なF検定
二項比率二項の裾確率、またはスコア統計量両側p値の定義を明記
ポアソン率観測時間を含む尤度人数だけでなく曝露量をそろえる

5台の機械の調整前後の差(後−前)が −1,−2,0,−1,−1-1,-2,0,-1,-1 とします。平均−1、標本分散0.5なので t=−1/0.5/5=−3.1623t=-1/\sqrt{0.5/5}=-3.1623、自由度4。両側p値は約0.0341です。機械ごとの基準差を相殺するため差を解析します。正規性は差の分布についての仮定です。

10試行で8成功、H0:p=0.5,H1:p>0.5H_0:p=0.5,H_1:p>0.5 なら

pvalue=P0.5(X≥8)=45+10+11024=0.0546875.p_{\mathrm{value}}=P_{0.5}(X\ge8)=\frac{45+10+1}{1024}=0.0546875.

Waldの漸近検定では5%で棄却する場合があり、小標本で近似差が実質的な判断差になります。両側の正確p値には確率が観測値以下の事象を足す方法などがあり、単純な片側の2倍と常に一致するわけではありません。

事故数 X∼Poisson(λt)X\sim\mathrm{Poisson}(\lambda t) なら率のMLEは X/tX/t。観測時間1000時間で5件なら0.005件/時間です。異なる時間を観測した群の件数だけを比べるのは不公平です。λ0\lambda_0 に対する検定では平均 λ0t\lambda_0t のポアソン分布で裾を計算します。

3群以上を対ごとのt検定で何度も比較すると第一種過誤が増えます。まず全平均が同じかをANOVAで扱い、事前に決めた線形対比や、多重性を制御した比較へ進みます。有意でないという結果は同等性の証明ではありません。同等性を論じるなら、許容差を先に定め、区間と対応する検定を設計します。

2施設の事故数がどちらも5件。率も同じと結論してよいか?

解答・解説

観測時間や曝露人数が必要です。100時間で5件と1000時間で5件では推定率が10倍違います。推定の不確実性と独立性も確認します。