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4. 変数変換と多変量正規分布

変換したデータの分布が必要な理由

Section titled “変換したデータの分布が必要な理由”

対数を取った測定値や比率を解析するとき、密度は単に変数名を置き換えるだけでは変換できません。確率の総量を保つ面積・体積の補正が必要です。単調な変換 Y=g(X)Y=g(X) なら

fY(y)=fX(g−1(y))∣ddyg−1(y)∣.f_Y(y)=f_X(g^{-1}(y))\left|\frac{d}{dy}g^{-1}(y)\right|.

X∼U(0,1),Y=−log⁡XX\sim U(0,1),Y=-\log X なら逆変換 x=e−yx=e^{-y} の微分の絶対値は e−ye^{-y}。したがって fY(y)=e−yf_Y(y)=e^{-y}、y>0y>0 となり、指数乱数を作れます。非単調変換では各逆像からの寄与を足します。Y=X2Y=X^2 なら、正と負の平方根を忘れないようにします。

独立な X∼Gamma(a,1),Y∼Gamma(b,1)X\sim\mathrm{Gamma}(a,1),Y\sim\mathrm{Gamma}(b,1) に対し、S=X+Y,R=X/(X+Y)S=X+Y,R=X/(X+Y) とします。逆変換は X=RS,Y=(1−R)SX=RS,Y=(1-R)S、ヤコビアンの絶対値は SS。

fS,R(s,r)=sa+b−1e−sΓ(a+b)ra−1(1−r)b−1B(a,b).f_{S,R}(s,r)=\frac{s^{a+b-1}e^{-s}}{\Gamma(a+b)} \frac{r^{a-1}(1-r)^{b-1}}{B(a,b)}.

支持域も s>0,0<r<1s>0,0<r<1 と直積に分かれるので、SS と RR は独立です。密度の積だけでなく支持域まで確認するのが論述の要点です。

pp 次元の密度は、正定値の共分散行列 Σ\Sigma に対して

f(x)=exp⁡{−12(x−μ)TΣ−1(x−μ)}(2π)p/2∣Σ∣1/2.f(\boldsymbol x)=\frac{\exp\{-\tfrac12(\boldsymbol x-\boldsymbol\mu)^T\Sigma^{-1}(\boldsymbol x-\boldsymbol\mu)\}} {(2\pi)^{p/2}|\Sigma|^{1/2}}.

AX+bA\boldsymbol X+\boldsymbol b の平均は Aμ+bA\boldsymbol\mu+\boldsymbol b、共分散は AΣATA\Sigma A^T。線形結合は再び正規で、正規ベクトルの無相関な成分は独立です。一般の分布にはこの結論を広げられません。

標準化した2変量正規で相関0.6なら、X∣Y=y∼N(0.6y,0.64)X\mid Y=y\sim N(0.6y,0.64)。Y=2Y=2 のとき予測平均は1.2、条件付き標準偏差は0.8です。極端な観測から予測されるもう一方は平均に近づき、これが平均への回帰です。

3変数の偏相関は

r12⋅3=r12−r13r23(1−r132)(1−r232).r_{12\cdot3}=\frac{r_{12}-r_{13}r_{23}}{\sqrt{(1-r_{13}^2)(1-r_{23}^2)}}.

それぞれから第3変数への線形回帰の影響を引いた残差間相関です。調整しただけで因果効果を識別したことにはなりません。

Var⁡(X)=4,Var⁡(Y)=9,Cov⁡(X,Y)=1\operatorname{Var}(X)=4,\operatorname{Var}(Y)=9,\operatorname{Cov}(X,Y)=1 のとき Var⁡(2X−Y)\operatorname{Var}(2X-Y) は?

解答・解説

4×4+9−4×1=214\times4+9-4\times1=21。係数の符号を含め、共分散項 2abCov⁡(X,Y)2ab\operatorname{Cov}(X,Y) を使います。