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2. 国民経済計算と貯蓄・投資

ニュースのGDP、企業の売上、家計の資産は、対象も測り方も違います。統計の定義をそろえずに比較すると、経済環境を予算へ織り込む際も誤解が生じます。本章では経済全体の勘定のつながりを整理します。

国内生産と国民所得、フローとストック

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GDPは国内の生産活動を対象とします。GNI(国民総所得)は居住者に帰属する所得で、GDPに海外からの第一次所得の純受取を加えます。「国民」は国籍だけの区分ではありません。GDP500、海外からの第一次所得受取30・支払20ならGNIは510です。

一定期間のGDP・所得・投資はフロー、ある時点の資産・負債・資本残高はストックです。設備投資は資本ストックを増やしますが、減価による減少もあります。総額と純額の区別も重要で、国内純生産NDPはGDPから固定資本減耗を控除します。

例題:貯蓄と投資を結び付ける

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まず、海外との所得移転等を省略して Y=C+I+G+NXY=C+I+G+NX とします。純輸出 NX=X−MNX=X-M、純税を TT とすると、

Sp=Y−T−C,Sg=T−G,S=Sp+SgS_p=Y-T-C,\qquad S_g=T-G,\qquad S=S_p+S_g S−I=NXS-I=NX

Y=1,000,C=600,I=150,G=200,T=180Y=1{,}000,C=600,I=150,G=200,T=180 なら、純輸出50、民間貯蓄220、政府貯蓄−20、国民貯蓄200です。200−150=50200-150=50 と一致します。政府の赤字20と対外収支50は同じ数字ではありません。

より一般には、海外からの第一次・第二次所得を含む国民可処分所得と国民貯蓄を用い、国民貯蓄−国内投資=経常収支と整理します。貿易収支・純輸出・経常収支は区別してください。政府投資をIとGのどちらへ含めるかも、採用する表記に合わせます。

貯蓄と投資の関係は事後的な会計上の恒等式です。企業が投資を増やしたとき、所得・消費・海外取引等のどれが動くかは、別の行動モデルが必要です。恒等式だけで「政府赤字が増えれば経常収支が同額悪化する」とは断定できません。

生産が販売を上回った場合、売れ残りは在庫投資として計上されます。計画した投資と、意図しなかった在庫変動を含む実現投資も区別します。経済全体の貯蓄増加の試みが所得低下を通じて実現貯蓄を増やさないことがある、という議論は財政・乗数で扱います。

企業の資金繰りを、売上や利益のフローだけで説明することはできません。在庫・売掛金・設備などのストックと変化を合わせて読みます。マクロの貯蓄と企業の現預金残高も同じではありません。

GDP600、海外からの第一次所得純受取15、固定資本減耗40なら、GNIとNDPはいくらですか。

解答・解説

GNIは615、NDPは560です。海外所得の調整と、固定資本減耗の調整は異なります。

学習ガイド