17. p管理図・np管理図の考え方
何を1回のデータにするか
Section titled “何を1回のデータにするか”品物を適合/不適合に分け、対象n個中の不適合品数をdとすると、率は 。率を打点するのがp管理図、個数を打点するのがnp管理図です。一つの品物の傷の総数を、そのまま不適合品数として数えません。
3級では目的と基本的な考え方が中心です。ここでは標本数と限界幅の関係を理解する補助として、典型的な3σの計算も示します。細かな運用は管理計画・上位級の学習へつなげます。
例題:日ごとに検査数が変わる
Section titled “例題:日ごとに検査数が変わる”予備データから基準率を と定めたとします。確認用の4群が 。率は4%、6%、6%、10%です。
n=100で上限約11.538%、下限は0に置き換える表記。n=400では上限約8.269%、下限約1.731%。同じ率でも、調べる数が多いほど偶然の率の変動は小さくなります。これらの確認用データから基準率を再計算した図ではありません。
基準率5%を与えた架空例。最初の2群はn=100、後の2群はn=400。4群目10%は、対応する上限約8.269%を超える。
- 青点・実線:不適合品率
- 灰実線:基準率5%
- 橙破線:群のnに対応する限界
チャートを読み込んでいます。数値は本文・表でも確認できます。
グラフの数値を表で確認する
| 群 | 検査数n | 不適合品数d | 率(%) | CL(%) | UCL(%) | LCL(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 100 | 4 | 4 | 5 | 11.538348 | 0 |
| 2 | 100 | 6 | 6 | 5 | 11.538348 | 0 |
| 3 | 400 | 24 | 6 | 5 | 8.269174 | 1.730826 |
| 4 | 400 | 40 | 10 | 5 | 8.269174 | 1.730826 |
学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。
nが一定なら個数をそのまま打点できます。中心は 、上下は 、負の下限は0へ補正する表記です。n=100、基準率5%なら中心5個、上限約11.538個。打点は整数ですが、限界まで勝手に整数へ丸める必要はありません。
率の平均に注意
Section titled “率の平均に注意”群サイズが異なる場合の全体率は 。各群の率の単純平均ではありません。100個中2個と900個中90個なら、全体は92/1000=9.2%。率2%と10%の単純平均6%は誤りです。
二項モデルの独立性・一定確率が疑わしいと、標準的な限界が適切でないことがあります。少数・低率では近似が粗くなる場合もあり、限界外を「原因が確定」と読みません。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”離散分布で二項の性質、データの集め方で独立性・偏りを復習できます。比率の区間推定との違いを深めるなら推定へ進んでください。
検査数100個と1000個の不適合品数を、同じ中心・同じ限界のnp図で比べてよいか?
解答・解説
よくありません。同じ母率でも期待個数が10倍違います。率を扱いnに応じて限界を変えるp図など、設計に合う方法を用います。