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9. 連続型確率分布

何のために面積で確率を表すのか

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待ち時間や長さのように連続する値では、取り得る値を一つずつ数え上げる方法は使えません。確率密度を使い、区間の面積として確率を求めます。密度fは非負で全体の面積が1、累積分布関数Fは左側の面積です。

F(x)=P(X≤x),P(a<X≤b)=F(b)−F(a)F(x)=P(X\le x),\qquad P(a<X\le b)=F(b)-F(a)

連続型では境界一点の確率は0なので、以上・より大の違いは区間確率に影響しません。離散型ではこの違いが重要でした。

一様分布:一定区間の密度が同じ

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Xがa〜bに一様に分布するなら、

f(x)=1b−a (a≤x≤b),E(X)=a+b2,V(X)=(b−a)212f(x)=\frac1{b-a}\ (a\le x\le b),\qquad E(X)=\frac{a+b}{2},\quad V(X)=\frac{(b-a)^2}{12}

です。例えば2〜8分の待ち時間が一様というモデルなら、平均5分、分散3平方分。3〜5分に入る確率は区間の長さ2を全体の長さ6で割り、1/3です。

各「点」の確率が1/6なのではありません。幅1の区間の確率が1/6です。区間0〜0.2なら密度5となりますが、面積は1で正しい密度です。

指数分布:一定の発生率の下で待つ時間

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発生率λのポアソン過程で次の発生までの待ち時間を考えると、指数分布が現れます。

f(x)=λe−λx (x≥0),P(X>x)=e−λx,E(X)=1λ,V(X)=1λ2f(x)=\lambda e^{-\lambda x}\ (x\ge0),\quad P(X>x)=e^{-\lambda x},\quad E(X)=\frac1\lambda,\quad V(X)=\frac1{\lambda^2}

平均待ち時間5分ならλ = 0.2(毎分)。10分より長く待つ確率は e−2≈0.1353e^{-2}\approx0.1353、3分以内なら 1−e−0.6≈0.45121-e^{-0.6}\approx0.4512 です。

指数分布は無記憶性を持ち、すでにs分待った後の残り時間について P(X>s+t∣X>s)=P(X>t)P(X>s+t\mid X>s)=P(X>t) です。平均待ち時間の長さをλと取り違えず、率と**尺度(平均)**のどちらをパラメータにしているかを確認します。実際の混雑で発生率が変わる場合には、モデルの仮定を見直します。

正規分布:位置と散らばりで決まる山型

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X∼N(μ,σ2),f(x)=12πσexp⁡{−(x−μ)22σ2}X\sim N(\mu,\sigma^2),\qquad f(x)=\frac1{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp\left\{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}

平均μを中心に対称、標準偏差σが大きいほど幅が広がります。和の面積が1なので、幅が広いほど山の高さは低くなります。標準化 Z=(X−μ)/σZ=(X-\mu)/\sigma によりN(0,1)を使えます。正規分布の独立な和も正規分布になり、平均・分散は確率変数の和の公式で求めます。

平均100・標準偏差15の正規分布で130以上となる確率は、z = 2以上の右側確率で約0.0228です。分布表が左側累積Φなら、1−Φ(2)と計算します。

正規分布を使うと、平均±1σに約68.3%、±1.96σに約95%、±3σに約99.7%が入ります。これは正規分布の性質で、どの分布にも当てはまるルールではありません。3級の正規分布の実図も参照してください。

2変量正規分布:二つの正規変数を一緒に扱う

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平均μx・μy、標準偏差σx・σy、相関ρを持つ2変量正規分布では、各変数の周辺分布は正規です。等密度線は、相関0なら軸に沿った形、相関があると傾いた楕円になります。周辺分布が両方正規であることだけでは、同時に2変量正規とは限りません。

重要な性質は、2変量正規なら、相関0と独立が同値になることです。一般の分布では、無相関でも独立とは限りません。

また、|ρ| < 1でX = xが分かったとき、Yの条件付き分布は、

Y∣X=x∼N(μy+ρσyσx(x−μx),σy2(1−ρ2))Y\mid X=x\sim N\left( \mu_y+\rho\frac{\sigma_y}{\sigma_x}(x-\mu_x), \sigma_y^2(1-\rho^2)\right)

です。例えばμx = 10、σx = 2、μy = 100、σy = 15、ρ = 0.6で、x = 12なら、条件付き平均は100+0.6×15/2×2 = 109、条件付き分散は225×0.64 = 144です。平均が動き、残りの不確実さも変わります。これは回帰の平均的傾向と残差の考え方につながります。

値に下限や上限があるか、負の値があり得るか、裾が対称か、時間の単位を変えたときパラメータも変える必要があるかを確認します。測定値を見ずに「連続だから正規」と選ばないようにしましょう。

  1. 0〜12の一様分布の平均・分散と、3〜6に入る確率を求めてください。
  2. 平均待ち時間4分の指数分布で、8分より長く待つ確率の式を書いてください。
  3. 一般の二変数で相関0なら独立ですか。2変量正規ではどうですか。
解答・解説
  1. 平均6、分散12、確率1/4です。
  2. λ = 1/4なので e−8/4=e−2≈0.1353e^{-8/4}=e^{-2}\approx\mathbf{0.1353}。
  3. 一般には言えません。2変量正規では独立になります。