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5. 基本統計量・平方和・標準偏差

充填量の平均が目標どおりでも、個々の品が大きくずれれば品質の問題です。中心を表す平均・中央値と、散らばりを表す範囲・分散・標準偏差を組み合わせます。中央値は並べた中央、最頻値は最も多い値です。

データを8、9、10、11、12mmとします。平均10mm、中央値10mm、範囲4mm。平均からの偏差は−2、−1、0、1、2で、偏差の和は0です。符号で打ち消さないよう2乗して合計します。

S=∑i=1n(xi−xˉ)2=4+1+0+1+4=10 mm2.S=\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2=4+1+0+1+4=10\text{ mm}^2.

自由度は n−1=4n-1=4、不偏分散 V=S/(n−1)=2.5V=S/(n-1)=2.5 mm²、標準偏差 s=V≈1.5811s=\sqrt V\approx1.5811 mmです。QC教材では平方和に SS、分散に VV、標準偏差に ss を使うことがあります。本ブログの統計検定記事の s2s^2 と、この VV は同じ不偏分散を表します。

手元の有限データ全体を記述する分散なら S/n=2S/n=2 mm²という定義もあります。母分散の不偏推定には S/(n−1)S/(n-1) を使います。設問やソフトの定義を確認し、黙って混ぜないでください。標準偏差 ss 自体が、母標準偏差の不偏推定量になるとは限りません。

偏差を nn 個計算しても合計0という制約が一つあるため、独立に動ける数が n−1n-1 になります。計算用には

S=∑xi2−(∑xi)2nS=\sum x_i^2-\frac{(\sum x_i)^2}{n}

も使えます。例では ∑xi=50,∑xi2=510\sum x_i=50,\sum x_i^2=510 より 510−2500/5=10510-2500/5=10。ただし非常に大きな近い数の差では丸め誤差に注意し、基準からの差に変換するなど工夫します。

標本平均のばらつきは、個々の観測のばらつきとは違います。独立・同分布なら平均の標準偏差は σ/n\sigma/\sqrt n。この違いが後の平均値管理図につながります。データ数が違う複数群をまとめる際も、群平均を単純平均せず、個数で重みを付けます。

導入は代表値、分母と変換は分散・標準偏差、平均の分布は標本分布で学べます。公式を覚えるだけでなく、何のばらつきかを言えるようにします。

すべてのデータへ100を足すと、平方和・分散・標準偏差は変わるか?

解答・解説

変わりません。平均も100だけ動くので、各偏差は同じです。平均だけが100増えます。