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2. 離散分布と確率モデルの選択

同じ「成功数」でも実験条件によって分布は変わります。独立な試行を nn 回固定し、成功確率が一定なら二項分布。有限集団から戻さず取るなら超幾何分布です。最初の成功まで試行を続けるなら幾何分布になります。

モデル確率関数・範囲平均・分散
離散一様 1,…,m1,\ldots,m1/m1/m(m+1)/2(m+1)/2、(m2−1)/12(m^2-1)/12
ベルヌーイpx(1−p)1−xp^x(1-p)^{1-x}、x=0,1x=0,1pp、p(1−p)p(1-p)
二項(nx)px(1−p)n−x\binom nxp^x(1-p)^{n-x}npnp、np(1−p)np(1-p)
超幾何(Kx)(N−Kn−x)/(Nn)\binom Kx\binom{N-K}{n-x}/\binom NnnK/NnK/N、np(1−p)(N−n)/(N−1)np(1-p)(N-n)/(N-1)
幾何:成功までの試行回数(1−p)x−1p(1-p)^{x-1}p、x≥1x\ge11/p1/p、(1−p)/p2(1-p)/p^2
負の二項:rr回成功までの失敗数(x+r−1x)pr(1−p)x\binom{x+r-1}x p^r(1-p)^xr(1−p)/pr(1-p)/p、r(1−p)/p2r(1-p)/p^2
ポアソンe−λλx/x!e^{-\lambda}\lambda^x/x!λ\lambda、λ\lambda

表の超幾何では p=K/Np=K/N。幾何・負の二項は「試行回数」と「失敗数」の流儀を必ず確認します。

10個中2個が不良で、非復元で3個を抽出するとします。不良がちょうど1個の確率は

P(X=1)=(21)(82)(103)=715≈0.4667.P(X=1)=\frac{\binom21\binom82}{\binom{10}3}=\frac7{15}\approx0.4667.

平均は0.6、分散は 3(0.2)(0.8)(7/9)=0.37333(0.2)(0.8)(7/9)=0.3733。二項近似では分散0.48となり、非復元抽出によるばらつきの減少を無視します。標本抽出率が高ければ有限母集団補正は重要です。

多項分布:分類は互いに制約される

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kk 分類の確率を p1,…,pkp_1,\ldots,p_k とすると、∑xj=n\sum x_j=n に対して

P(X=x)=n!∏jxj!∏jpjxj,Var⁡(Xj)=npj(1−pj),Cov⁡(Xj,Xl)=−npjpl (j≠l).P(\boldsymbol X=\boldsymbol x)=\frac{n!}{\prod_jx_j!}\prod_jp_j^{x_j},\quad \operatorname{Var}(X_j)=np_j(1-p_j),\quad \operatorname{Cov}(X_j,X_l)=-np_jp_l\ (j\ne l).

10人を確率0.2、0.3、0.5で分類し、人数が2、3、5となる確率は約0.08505。各人数を独立な二項変数として同時確率を掛けるのは誤りです。総数10という制約が負の共分散を生みます。

二項で n→∞,p→0,np→λn\to\infty,p\to0,np\to\lambda なら少数法則によりポアソンに近づきます。np,n(1−p)np,n(1-p) が十分大きい場合は正規近似を検討し、P(X≤k)P(X\le k) は境界 k+0.5k+0.5 で連続修正します。「大きい」の目安だけでなく、必要な尾確率の精度も確認します。過分散の件数には、独立性や一定発生率を点検し、負の二項モデルなどを考えます。

成功確率1/4で、3回成功するまでの失敗数の期待値は?

解答・解説

負の二項分布より 3(3/4)/(1/4)=93(3/4)/(1/4)=9。総試行回数の期待値は 9+3=129+3=12 です。