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26. 社会科学:内生性・操作変数・パネル

教育年数と賃金の回帰には、能力や家庭環境が残るかもしれません。需要と価格は市場で同時に決まり、単純な回帰係数を需要曲線の傾きと読めません。構造方程式の誤差と相関する説明変数が内生変数、誤差と無相関などの条件を満たす変数が外生変数です。

単回帰で Y=βX+uY=\beta X+u なら、OLSの確率極限は β+Cov⁡(X,u)/Var⁡(X)\beta+\operatorname{Cov}(X,u)/\operatorname{Var}(X)。標本数を増やしても内生性によるずれは消えません。

操作変数 ZZ に関連性 Cov⁡(Z,X)≠0\operatorname{Cov}(Z,X)\ne0、外生性 Cov⁡(Z,u)=0\operatorname{Cov}(Z,u)=0 を仮定すると

βIV=Cov⁡(Z,Y)Cov⁡(Z,X).\beta_{IV}=\frac{\operatorname{Cov}(Z,Y)}{\operatorname{Cov}(Z,X)}.

標本共分散が0.6と0.3なら推定値2です。分母が小さい弱い操作変数では推定も通常の推測も不安定になります。「ZとYに相関がある」だけでは有効な操作変数ではありません。排除制約は実質的根拠を必要とします。

二段階最小二乗(2SLS)は第1段階で内生変数を全操作変数に回帰し、第2段階でその予測成分を使います。PZ=Z(ZTZ)−1ZTP_Z=Z(Z^TZ)^{-1}Z^T とすれば β^=(XTPZX)−1XTPZY\hat\beta=(X^TP_ZX)^{-1}X^TP_ZY。標準誤差は単純な第2段階OLS出力を流用せず、2SLSとして計算します。同時方程式モデルでは、構造形と誘導形、識別のための除外制約を区別します。

Yit=βXit+ai+uitY_{it}=\beta X_{it}+a_i+u_{it} で、固定効果(FE)は個体内平均を引き、時間不変の aia_i を消します。aia_i と XitX_{it} の相関を許せますが、個体内で変化しない変数の係数はこの変換では推定できません。変量効果(RE)は通常、aia_i と説明変数の無相関を仮定し、個体間の情報も使います。

Hausman検定はFEとREの差をその共分散で標準化し、両者が整合的となる帰無条件を検討します。非棄却は仮定の真実の証明ではありません。個体内相関には個体単位のクラスタ頑健標準誤差などを使い、時点ショックや逆因果も考慮します。

制度改正前後で係数が同じかは、交互作用や制約付き/なしの残差平方和による構造変化検定で調べます。既知の切替時点を前提とする検定と、データから時点を探す検定は分布が異なります。二値の選択にはロジット・プロビット、多肢選択には選択肢構造に合うモデルを使います。

Y>cY>c のみ観測される切断正規回帰では f(y∣x)/P(Y>c∣x)f(y\mid x)/P(Y>c\mid x) を使います。値が閾値に置き換えられる検閲回帰と区別します。GLSは不均一分散・系列相関への対処であり、内生性の解消法ではありません。

操作変数が誤差と無相関でも、説明変数とほぼ無相関なら十分か?

解答・解説

不十分です。関連性が弱いと弱操作変数の問題が生じます。第1段階の強さと、弱い場合にも妥当な推測を検討します。