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22. マルコフ連鎖・確率過程

顧客の状態遷移、到着数、微小な変動の蓄積を扱うには、1変数の分布だけでは足りません。確率過程は時間で添字付けされた確率変数の集まりです。現在の状態を与えると過去が未来予測に追加情報を持たない性質がマルコフ性で、無条件の独立性とは違います。

状態A/Bの1期推移行列を

P=(0.80.20.30.7)P=\begin{pmatrix}0.8&0.2\\0.3&0.7\end{pmatrix}

とし、行が現在、列が次期とします。Aから2期後にAである確率は (P2)AA=0.82+0.2×0.3=0.70(P^2)_{AA}=0.8^2+0.2\times0.3=0.70。定常分布は π=πP,∑πi=1\pi=\pi P,\sum\pi_i=1 から (0.6,0.4)(0.6,0.4)。

定常分布があることと、どの初期状態からもそこへ収束することは別です。有限状態で既約・非周期なら一意な定常分布へ収束します。吸収状態があれば吸収確率や到達時間を調べます。連続時間では遷移率行列 QQ の対角以外は非負、行和0で、P(t)=etQP(t)=e^{tQ} です。

St=St−1+εtS_t=S_{t-1}+\varepsilon_t、独立な増分の平均0・分散 σ2\sigma^2 なら、E(St)=S0,Var⁡(St)=tσ2E(S_t)=S_0,\operatorname{Var}(S_t)=t\sigma^2。分散が時間で増えるため定常ではありません。時間が経っても平均が一定だから定常、と判断してはいけません。

率 λ\lambda で、独立・定常増分を持ち、N(t)∼Poisson(λt)N(t)\sim\mathrm{Poisson}(\lambda t)。待ち時間は独立な指数分布、rr 件目までの時間は Gamma(r,λ)\mathrm{Gamma}(r,\lambda) です。率2件/時間なら30分に0件の確率は e−1≈0.3679e^{-1}\approx0.3679。発生率が曜日で変わるなら定常増分は疑わしく、イベントが互いを誘発するなら独立増分も疑わしくなります。

標準ブラウン運動は B(0)=0B(0)=0、独立増分、B(t)−B(s)∼N(0,t−s)B(t)-B(s)\sim N(0,t-s)、連続な経路を持ちます。Cov⁡{B(s),B(t)}=min⁡(s,t)\operatorname{Cov}\{B(s),B(t)\}=\min(s,t)。連続時間のランダムな累積変化の基本モデルですが、経路は通常の意味では微分できません。観測系列に当てはめる場合は、ドリフト、分散、外れたジャンプの妥当性を点検します。

上の推移行列でBから1期後にAになる確率と、長期A割合は?

解答・解説

1期後は0.3、定常割合は0.6です。1ステップの条件付き確率と長期割合を区別します。