1. 品質とお客様満足
品質管理は何のために必要か
Section titled “品質管理は何のために必要か”同じ弁当を買ったのに、日によって量が違う、注文した時刻に受け取れない、表示が分かりにくい。このような不ぞろいは、お客様の不満や手直しにつながります。品質管理(QC:Quality Control)は検査担当者だけの仕事ではなく、求められるものを安定して提供するための仕事の仕組みです。
形のある部品や食品だけでなく、配送、窓口対応、ソフトウェアの使いやすさにも品質があります。サービスは提供の場で消費されることも多く、後から選別し直せないため、事前の手順や教育が特に重要です。
「高性能」なら良い品質か
Section titled “「高性能」なら良い品質か”品質を考える基準は、誰が何のために使うかです。操作が簡単な電話を望む人に、機能が多いだけの製品を渡しても満足には結びつきません。顧客の使い方や要求から出発する考え方がマーケットイン、自社の技術や作れるものから出発するのがプロダクトアウトです。技術の価値を否定する区別ではなく、その価値を顧客の必要に結び付ける視点です。
企画・設計の段階で、どの水準を目指すかを決めたものがねらいの品質です。たとえば「注文どおりの品を、約束時刻までに渡す」と定め、そのための材料、手順、確認方法を整えます。実際の出来上がりが狙いに合っているかも、別に確認します。
例題:問題と課題を区別する
Section titled “例題:問題と課題を区別する”店の基準は「予約商品の受渡し遅れを週2件以下」、現状は週8件とします。基準と現状の望ましくない差が問題です。「忙しい」は状況の印象で、問題を測れる形にした表現ではありません。
一方、新しい宅配サービスを始めるために「来月までに配送手順を整える」と設定するのは、将来に向けて取り組む課題の例です。教材や職場で言葉の使い方が多少異なる場合も、現状・目標・差・期限を具体化すれば話が通じやすくなります。
QCD+PSMEで全体を見る
Section titled “QCD+PSMEで全体を見る”| 観点 | 意味 | 店舗で確認する例 |
|---|---|---|
| Q:Quality | 品質 | 注文間違い、表示誤り |
| C:Cost | コスト | 廃棄や手直しにかかる費用 |
| D:Delivery | 納期・量・受渡し | 約束時刻までの提供割合 |
| P:Productivity | 生産性 | 1時間あたりの処理件数 |
| S:Safety | 安全 | 作業時や使用時の危険 |
| M:Morale / Moral | 意欲・士気・倫理 | 改善への参加、働きやすさ、誠実な記録 |
| E:Environment | 環境 | ごみ、資源やエネルギーの使用 |
ここでPは生産性です。製品安全をPS(Product Safety)と略す場合もありますが、この表のPと取り違えないでください。速さだけを上げて安全や品質を損なえば、全体としてよい改善とは言えません。
苦情・クレームを改善へつなぐ
Section titled “苦情・クレームを改善へつなぐ”不満や要求の連絡を受けたら、相手の困りごと、対象、発生日時、事実を記録し、担当者へつなぎます。苦情やクレームは言葉の使い分けだけで判断せず、内容を確認します。「一人の感想」で片付けず、同じことが他にも起きていないか、仕組みに原因がないかを調べます。謝罪やその場の交換だけでは再発防止になりません。
検品数を増やして注文間違いを減らしたが、受渡し遅れが急増した。改善の評価で見るべき点は?
解答・解説
QだけでなくD、C、P、安全、作業負担なども確認します。顧客の要求を満たす全体の仕組みとして、確認の位置や方法を見直します。