10. 新QC七つ道具:親和図・連関図
数え始める前の混沌を整理する
Section titled “数え始める前の混沌を整理する”顧客の声や関係者の気付きを、そのまま件数にすると重要な意味を失うことがあります。新QC七つ道具は、言語情報や関係・計画を整理するための方法です。数字中心のQC七つ道具と競合するのではなく、問いや仮説を作る段階などで補います。
| 道具 | 主な役割 |
|---|---|
| 親和図法 | 意味の近い情報をまとめ、構造をつかむ |
| 連関図法 | 原因・結果などの複雑なつながりを整理する |
| 系統図法 | 目的を実現する手段を段階的に展開する |
| マトリックス図法 | 複数の要素の対応を表にする |
| アローダイアグラム法 | 作業の順序と日程の関係を整理する |
| PDPC法 | 望ましくない展開を予測し対応を備える |
| マトリックス・データ解析法 | 数値行列から構造を分析する |
この章から3章で、すべての道具を使う目的と例を扱います。
親和図法の例:問い合わせの声をまとめる
Section titled “親和図法の例:問い合わせの声をまとめる”「注文変更の場所が分からない」「受付済みか不安」「確認メールが来ない」「締切が見つからない」という声を一件ずつ短いカードにします。最初から「システム」「人」といった分類へ押し込まず、内容の近さを見てまとめ、群の意味を表す見出しを付けます。
たとえば「受付状況が見えない」と「手続きの案内が見つからない」というまとまりが見えるかもしれません。見出しと元の声を行き来し、少数でも独立した重要な声は残します。似ているのが単語だけなのか、困りごとの本質なのかを考えます。分類件数の比較に進むなら、重複や分類基準を改めて決めます。
連関図法の例:遅れが循環する
Section titled “連関図法の例:遅れが循環する”「問い合わせ増加→確認担当の手離れ悪化→案内更新の遅れ→さらに問い合わせ増加」という循環を考えます。1本の原因系列に収まらない関係を、矢印と簡単な説明で整理します。矢印が多いから真因という意味ではなく、どのつながりが事実かを確認します。
特性要因図が一つの結果へ原因候補を枝状に整理するのに対し、連関図は相互関係や循環を表しやすい道具です。読みやすくするために関係を省き過ぎても、何でもつないでも、判断に使いにくくなります。
実践での手順
Section titled “実践での手順”目的と対象をそろえ、現場の情報を集め、整理した後に「次に確かめる事実」を決めます。どちらの図も、参加者の理解を揃える助けにはなりますが、原因を実証する統計分析の代わりにはなりません。ブレーンストーミングで候補を広げる場合も、発想と評価を分けます。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”分類後の集計はデータの尺度・分類、調べる問いへの落とし込みは統計的問題解決に対応します。言語情報を数値化する前の判断を丁寧に行います。
似た顧客の声を意味でまとめたい場合と、複数の原因が相互に関わる構造を整理したい場合に使う道具は?
解答・解説
前者は親和図法、後者は連関図法です。まとめた図から、確認・調査する事項を選びます。