19. 新製品開発と品質保証
最後に検査すれば保証できるか
Section titled “最後に検査すれば保証できるか”設計が顧客の要求に合わなければ、図面どおりに作って全数検査しても満足は得られません。品質保証は、要求を満たすための活動と、そのことへの信頼を支える仕組みです。結果の確認に加え、企画・設計・購買・製造・販売・使用などの過程を適切に行うことが必要です。損失を金銭等で埋める補償とは目的が違います。
例題:新しい容器を開発する
Section titled “例題:新しい容器を開発する”顧客は「こぼれにくく、開けやすい」を求めています。密閉を強くし過ぎると開けにくいので、両方の要求を設計へ反映する必要があります。
| 用語 | この例での役割 |
|---|---|
| 品質機能展開(QFD) | 顧客の言葉を密閉性・開封力などの設計特性へ対応付ける |
| デザインレビュー(DR) | 設計の節目で関係部門が要求充足・製造性等を審査する |
| FMEA | 密閉不足、開封困難などの故障・不具合の形から影響と対策を検討する |
| FTA | 「内容物が漏れる」という望ましくない事象から要因の論理を展開する |
3級では用語と使う場面を理解することが中心です。複雑な表の採点や信頼性計算を必須にはしません。
FMEAとFTAを区別する
Section titled “FMEAとFTAを区別する”FMEAは部品・工程などの不具合の起こり方を挙げ、その影響や原因、現状の管理を調べるボトムアップの発想です。FTAは上位の望ましくない事象を、AND・ORなどの関係で分解するトップダウンの発想です。
FMEAで重大性・発生・検出などを評価する場合も、掛け算の値だけで優先を決めないようにします。重大性の高い危険を小さい総合点で後回しにせず、使用する方式と判断基準に従います。どちらも挙げた要因が真実と自動的に確認される道具ではありません。
保証の網とライフサイクル
Section titled “保証の網とライフサイクル”品質保証体系図は、開発から市場までの段階と責任・活動を整理します。QAネットワークは、不具合と、それを防止・検出する管理点などの対応を可視化し、保証の抜けを調べる考え方です。部門別に仕事が完了しても、引継ぎが抜ければ保証はつながりません。
使用・保守・廃棄まで含めて、製品安全、資源や環境への影響、製造物責任の考え方にも目を向けます。ここでは法的判断ではなく、開発時から利用者・社会への影響を考慮する品質保証の視点を学びます。
市場トラブルを上流へ返す
Section titled “市場トラブルを上流へ返す”苦情では事実・現品・条件・影響を確認し、まず被害拡大を抑え、原因を調べて再発防止・他製品への展開につなげます。顧客へ交換しただけでは設計や工程の弱点は直りません。逆に原因確定まで必要な連絡を待つのも適切ではありません。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”要求の数値化と試験条件には実験の設計、故障率などの発展には信頼性が関係します。ここでの用語理解と、上位の統計モデルの計算を区別して進めます。
FMEAとFTAのうち、望ましくない最終事象から原因の組合せをたどるのはどちらか?
解答・解説
FTAです。FMEAは故障・不具合の形を挙げて、その影響などを順に検討します。