6. チェックシート・層別と交絡
目的に合う記録様式を作る
Section titled “目的に合う記録様式を作る”チェックシートは、調べたい事象をその場で記録・集計しやすいようにする道具です。分類別の発生数、配置図上の発生位置、点検の実施状況など、目的によって様式が変わります。対象、期間、記入者、分類、重複、対象数を定め、試しに記入して無理がないか確かめます。
層別は、設備、材料、担当、時間帯などで分けて特徴を見る方法です。後から調べたい条件を記録していなければ、全体の数字から復元できないことがあります。
例題:全体の順位が逆になる
Section titled “例題:全体の順位が逆になる”同じ基準の不適合を、設備A・Bと、易しい品種・難しい品種で集計した架空例です。
| 設備 | 易しい品種 | 難しい品種 | 全体 |
|---|---|---|---|
| A | 1/100=1% | 90/900=10% | 91/1000=9.1% |
| B | 18/900=2% | 11/100=11% | 29/1000=2.9% |
各品種ではAの率が低いのに、全体ではAが高くなっています。Aが難しい品種を多く処理しているためです。同じデータを図でも見てみましょう。
架空の集計。易しい品種はA1/100、B18/900、難しい品種はA90/900、B11/100。A全体9.1%、B全体2.9%。仕事の構成が違う。
- 左の濃い青棒:設備A
- 右の薄い橙棒:設備B
- 縦軸は各群の不適合品率
チャートを読み込んでいます。数値は本文・表でも確認できます。
グラフの数値を表で確認する
| 品種 | A不適合品数 | A検査数 | A率(%) | B不適合品数 | B検査数 | B率(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 易しい | 1 | 100 | 1 | 18 | 900 | 2 |
| 難しい | 90 | 900 | 10 | 11 | 100 | 11 |
| 全体 | 91 | 1000 | 9.1 | 29 | 1000 | 2.9 |
学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。
図の例では易しい品種がA1%、B2%、難しい品種がA10%、B11%。各品種ではAが1パーセントポイント低いのに、全体ではA9.1%、B2.9%です。難しい品種を扱う割合がA90%、B10%と違うためです。これを設備自体の優劣と短絡しないようにします。
分母をそろえるだけでは足りない
Section titled “分母をそろえるだけでは足りない”総検査数がどちらも1000でも、内訳は違います。共通の品種割合50%ずつで比較するなら、Aは 、Bは 。何を同じ条件とした比較かを明示します。この調整だけで他の交絡まで消えたわけではありません。
活用上の注意
Section titled “活用上の注意”層を増やし過ぎると各セルが少数になり、偶然変動を大きく読みやすくなります。まず工程上の意味がある分類を選びます。チェックシートの記録基準や測定方法が群で違えば、層別以前にデータをそろえる必要があります。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”同じ落とし穴はクロス集計と関連の分析で扱います。研究デザインも読み、観察データの比較と因果効果の推定を区別してください。
2設備の全体不適合品率を比べる前に、どんな内訳を確認するか?
解答・解説
品種、材料、時間帯、担当などの構成と各層の分母を確認します。仕事の難しさの違いを設備差と取り違えないためです。