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14. 不確実性・期待効用とリスク

平均的な利益が同じでも、確実な案件と大きく振れる案件を同じように選ぶとは限りません。期待効用理論は、結果の確率と、その結果への評価を分けて考えます。単に期待値を計算することと、リスクを含む選択をすることは異なります。

例題:確実な金額はいくらに相当するか

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最終資産 WW が確率1/2で100万円、確率1/2で0万円となる選択を考えます。金額を万円単位とし、効用 u(W)=Wu(W)=\sqrt W とします。

E[W]=50,E[u(W)]=12100+120=5E[W]=50,\qquad E[u(W)]=\tfrac12\sqrt{100}+\tfrac12\sqrt0=5

確実性等価CEは、u(CE)=E[u(W)]u(CE)=E[u(W)] より CE=25CE=25万円です。期待資産50万円との差25万円がリスクプレミアムです。期待資産へ効用を適用した u(E[W])=50u(E[W])=\sqrt{50} と、期待効用5を混同しないようにします。

効用が凹ならリスク回避的、線形なら中立的、凸なら愛好的です。凹関数ではイェンセンの不等式により E[u(W)]≤u(E[W])E[u(W)]\leq u(E[W]) となります。期待効用では効用の正のアフィン変換は選択を変えませんが、一般の単調変換がすべて同じ選択を保つわけではありません。

初期資産100万円、確率0.1で36万円の損失、効用 W\sqrt W とします。無保険の期待効用は 0.9×10+0.1×8=9.80.9\times10+0.1\times8=9.8、CEは96.04万円です。全額補償を受ける最大保険料は 100−96.04=3.96100-96.04=3.96万円。期待損失は3.6万円なので、それより0.36万円多く払っても確実性を選ぶ計算です。税や保険会社の費用、契約制約は省略しています。

十分小さい平均0の金銭リスクに対する近似では、リスクプレミアムは 12A(W)Var⁡(ϵ)\frac12 A(W)\operatorname{Var}(\epsilon)、絶対的リスク回避度は A(W)=−u′′(W)/u′(W)A(W)=-u''(W)/u'(W) です。小さいリスク・滑らかな効用などの条件付きの近似で、大きな損失へ無条件には使いません。

需要が高・低各1/2、投資したときの利益が高需要で100・低需要で−40、投資しない利益が0とします。リスク中立なら情報なしでは期待利益30で投資します。需要を完全に知れるなら高需要のときだけ投資し期待利益50。完全情報の期待価値は20です。

情報価値は、情報を得て行動を変えられることから生じます。実際の調査は誤りを含むので、通常は完全情報と同じ価値にはなりません。条件付き確率やベイズの定理で事後確率を更新する考え方につながります。

予算の1点予測だけでなく、複数のシナリオと確率を整理します。ただし経営者の効用、企業価値、資金制約は別の論点です。確率は根拠を確認し、学習用の仮定を実測値として扱わないようにします。

確率1/2で36万円、確率1/2で100万円、効用が平方根のとき、CEとリスクプレミアムを求めてください。

解答・解説

期待効用は (6+10)/2=8(6+10)/2=8、CEは64万円。期待資産68万円との差4万円がリスクプレミアムです。

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