6. 標準・標準化・仕事の定着
なぜ良い方法を文書にするか
Section titled “なぜ良い方法を文書にするか”改善を思いついた人しか実行できない、担当が替わると元に戻る、部署ごとに同じ言葉の意味が違う。この状態を減らすために標準化があります。共通の約束を定め、実際に使い、必要に応じて改めます。文書を作って保管するだけでは、仕事はそろいません。
品物と業務の標準
Section titled “品物と業務の標準”| 種類 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 品物に関する標準・規格 | どの特性を、どの水準で満たすか | 寸法、表示内容、受入条件 |
| 業務に関する標準 | 誰が、何を、どう行い、何を確認するか | 受注手順、検査方法、異常時の連絡 |
同じ製品規格を満たすための方法が複数ある場合もあります。結果の基準と、仕事の進め方の基準を分けて考えます。「全員で注意する」では確認方法がそろいません。
例題:ラベル確認を標準化する
Section titled “例題:ラベル確認を標準化する”改善で有効だった「受渡し直前に確認する」を、次のように具体化します。
- 対象:すべての予約商品。
- 担当・時点:受渡し担当が、渡す直前に行う。
- 確認内容:注文番号、品名、数量を注文票と照合する。
- 記録:確認欄を記入し、相違は決めた様式へ残す。
- 異常時:受渡しを進めず、責任者へ確認する。
作業の理由や間違えやすい箇所も伝え、実施する時間・道具を確保します。初めての人が同じ手順で作業できるか、実際の場で確認します。安全や契約に関わる標準は、個人判断で変更しません。
社内・国家・国際の標準
Section titled “社内・国家・国際の標準”社内標準は自社内の共通の取り決めです。日本の国家規格にはJIS(日本産業規格)、国際規格を扱う代表的な組織にはISOやIECがあります。規格番号・版・適用範囲を確認する習慣が重要です。これらの名称を知ることと、特定製品の認証や法律上の適合を確認することは別です。
標準は、互換性、品質の安定、意思疎通にも役立ちます。たとえば部署間で商品コードの定義をそろえれば、転記ミスや確認の往復を減らせます。標準を増やし過ぎ、重複・矛盾が起きないようにも管理します。
改訂と教育までが一組
Section titled “改訂と教育までが一組”承認、版、適用日、配布先をそろえ、古い手順が残らないようにします。最新版でも、読みにくい・実行不能なら改善が必要です。定着後はSDCAで維持し、必要な変更は効果を確かめて標準へ反映します。
「標準を守る」と「標準を改善する」は矛盾しません。守って仕事を安定させ、変更するときは根拠と手続きを残します。就業規則など組織生活のルールも含め、分からない点は担当者へ確認します。
新しい手順書を共有フォルダへ置いたが、旧版を印刷して使う人がいた。何を追加するか?
解答・解説
改訂の周知・教育、適用日と版の明示、旧版の回収や誤使用防止、現場での実施確認を行います。保管場所だけでなく運用まで設計します。