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6. 貨幣・銀行と金融市場

中央銀行の資金供給と企業・家計の預金増加は同じ量とは限りません。金利や資金調達の動きを読むために、貨幣、銀行、債券市場の関係を整理します。

貨幣は交換手段・価値尺度・価値保存の機能を持ちます。取引や予備のための保有に加え、利子の付く資産との比較で貨幣を保有します。単純な実質貨幣需要を L(Y,i)=kY−hiL(Y,i)=kY-hi、k,h>0k,h>0 とすると、所得Yが増えると需要が増え、名目利子率iが高いと貨幣保有の機会費用が大きくなり需要が減ります。

例えば L=0.5Y−10iL=0.5Y-10i、Y=400,i=5Y=400,i=5 なら需要は150。ここでiは%表示の数値5です。0.05を代入する定義ではないことに注意します。名目貨幣供給Mと物価Pに対し、貨幣市場の均衡は M/P=L(Y,i)M/P=L(Y,i) です。

現金をC、預金をD、準備をRとして、マネタリーベース H=C+RH=C+R、単純化したマネーストック M=C+DM=C+D とします。現金預金比率 c=C/Dc=C/D、準備預金比率 ρ=R/D\rho=R/D が一定なら、

MH=1+cc+ρ\frac{M}{H}=\frac{1+c}{c+\rho}

c=0.2,ρ=0.1,H=100c=0.2,\rho=0.1,H=100 なら乗数4、M=400、D=333.333、C=66.667、R=33.333です。現金保有なしなら乗数は 1/ρ1/\rho ですが、これは特に限定したケースです。

準備には法定準備だけでなく超過準備も含まれ得ます。現実には信用需要、銀行の自己資本、貸出リスク、中央銀行の運営方式などが関わります。この恒等的な比率関係を「ベースを増やせば、必ず一定倍の貸出が自動発生する」という因果関係として使わないでください。実際の統計の集計範囲も確認が必要です。

1年後に100を受け取る割引債の価格は B=100/(1+i)B=100/(1+i)(iは小数)。利子率5%なら約95.238、10%なら約90.909。将来の受取額が固定なら、利子率が上がると債券価格は下がります。

満期の違いで金利が異なる期間構造もあります。期待仮説では長期金利が将来短期金利の予想と結び付きますが、実際には期間プレミアムや信用リスク等も影響します。金利の変化がすべて政策金利の変化で説明できるわけではありません。

借入金利、運転資金、手元流動性、金融資産の評価を区別して管理します。預金の増減だけから、売上や営業利益の変化を断定しないようにします。

c=0.1,ρ=0.1,H=100c=0.1,\rho=0.1,H=100 の単純モデルで、Mはいくらですか。

解答・解説

乗数は 1.1/0.2=5.51.1/0.2=5.5、M=550です。比率を固定した条件付き計算です。

学習ガイド