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5. 検査・適合・ロットの判定

測るだけでは検査は完了しない

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計測で長さや重さなどの情報を得て、要求事項と照らし、適合しているかを判定するのが検査です。「長さ10.3mmと測った」だけでは、基準がないので合否は決まりません。検査には対象、基準、方法、判定者、記録、判定後の扱いが必要です。

学習用の部品規格を 10.0±0.510.0\pm0.5 mm、両端を含むとします。9.5mmと10.5mmは適合、10.6mmはこの要求に不適合です。境界の扱いや測定精度を曖昧にしないようにします。実務では図面・規格・検査手順に従い、表示を勝手に丸めて合格にしません。

不適合は要求を満たさない状態、不適合品は不適合を含む品物です。1個に傷と表示誤りがあっても、不適合品数では1個、不適合数では2件と数える場合があります。不良・不具合など関連する用語も、何を満たしていないかを具体的に記録します。

切り口種類目的・注意点
どの段階か受入・工程内・最終/出荷次の工程へ不適合を流さない
いくつ調べるか全数・抜取費用、時間、検査の破壊性、リスクを考える
値を使うか計量・計数による検査連続値か、区分・個数かを区別する
破壊するか破壊・非破壊全数の破壊検査では製品を出せない

外観、におい、手触りなど人の感覚を用いる官能検査もあります。見本や条件、判定基準をそろえ、個人の好みで判断しないようにします。また、工程の保証や過去の信頼できる情報などに基づき、個別の試験を省く無試験検査という考え方もあります。何も確かめず受け入れる意味ではなく、適用条件と責任を定めます。

試験は、決めた条件・手順で特性を調べる活動です。その結果を検査の判定に用いることがあります。検査を増やしても、測り間違い・見逃し・基準の誤りがあれば、品質を完全には保証できません。

ロットは、まとめて扱うよう定めた品物の集まりです。200個のロットから、あらかじめ定めた方法で20個を抽出する例を考えます。学習用に「不適合品が1個以下ならロットを受け入れる」と決め、観測が1個ならロットは合格です。ただし、その1個が適合に変わるわけではなく、未検査の180個が全部適合と分かったわけでもありません。

これは判定の考え方を示す架空例で、推奨する抜取計画ではありません。実際の計画は品質水準、誤判定リスク、規格・契約などに応じて定めます。都合のよい品物だけ選ぶと、ロットを代表する検査になりません。

不適合品の識別や混入防止、記録、連絡、処置は決めた手順で行います。検査で見つけた事実を工程へ返し、作り方や情報伝達の原因に働きかけます。検査で選別する活動と、不適合を作らないよう工程を改善する活動は、役割が違います。

抜取検査でロット合格だった。サンプル中の不適合品もそのまま出荷してよいか?

解答・解説

ロットの受入判断と個品の適合判断は別です。見つかった不適合品は、定めた識別・処置の手順に従います。ロット合格は全品適合の証明ではありません。