5. 労働・余暇と異時点間の選択
何のために学ぶか
Section titled “何のために学ぶか”賃金を上げれば労働時間は必ず増えるでしょうか。金利が上がれば全員が貯蓄を増やすでしょうか。どちらも、選択肢の相対価格が変わる効果と、所得・資産価値が変わる効果を分ける必要があります。人員計画や長期資金計画を考える基礎です。
労働と余暇の予算制約
Section titled “労働と余暇の予算制約”使える時間を 、余暇を 、賃金を 、非労働所得を とします。消費財価格を1とすると、消費 は、
余暇1時間の機会費用は賃金 です。効用 、、 円、 なら、。最大点は余暇8時間・労働8時間、消費8,000円です。
この特定の効用・非労働所得ゼロの例では賃金が2倍になっても労働は8時間です。一般には、賃金上昇による余暇の割高化は労働を増やす方向、所得増による余暇需要は労働を減らす方向に働きます。後者が強いと後方屈曲する労働供給もあり得ます。残業時間を賃金だけで予測することはできません。
2期間の消費と貯蓄
Section titled “2期間の消費と貯蓄”第1期・第2期の所得を 、消費を 、実質利子率を とします。借入・貸付が同じ利子率で自由にできるとすると、
将来の1円を現在価値に割り引く式です。借入制約、税、リスクがあれば条件は変わります。
例題:現在と将来へ配分する
Section titled “例題:現在と将来へ配分する”、所得が第1期100・第2期0、(金額単位は万円)とします。 を代入すると 。最適消費は 、貯蓄50万円です。
一般に内点条件は 。 なら です。金利上昇は将来消費を相対的に安くしますが、純貯蓄者と純借入者では所得への影響が異なるため、貯蓄の変化は一律には決まりません。
管理会計とのつながり
Section titled “管理会計とのつながり”投資案の将来キャッシュフローを割り引く考え方につながります。ただし家計の効用最大化と企業の投資評価は別の問題です。名目キャッシュフローには名目割引率、実質には実質割引率という整合性を保ち、会計利益と現金収支も区別します。
、所得が第1期100・第2期0のまま、利子率が20%になった場合の最適消費と貯蓄を求めてください。
解答・解説
より 、貯蓄50です。この例では貯蓄額は不変です。「金利が上がると貯蓄は必ず増える」という結論にはなりません。