14. 散布図・関連と因果
一緒に変わる量を調べる
Section titled “一緒に変わる量を調べる”温度と処理時間、設定値と出来上がり寸法など、2つの量の関係を見たいときに散布図を使います。1回の観測について得た2つの値を組にして、横軸と縦軸の位置へ点を打ちます。対応を崩して別々に並べ替えると、元の関係は失われます。
例題:設定時間と温度
Section titled “例題:設定時間と温度”架空の6回の試行で、設定時間が1、2、3、4、5、6分、対応する温度が22、24、23、27、28、30℃だったとします。
架空の6組の対応データ。点を時間順に結ばず、関係の方向と散らばりを見る。因果効果を確定した実験結果ではない。
- 1点は同じ試行で記録した1組の値
チャートを読み込んでいます。数値は本文・表でも確認できます。
グラフの数値を表で確認する
| 設定時間(分) | 温度(℃) |
|---|---|
| 1 | 22 |
| 2 | 24 |
| 3 | 23 |
| 4 | 27 |
| 5 | 28 |
| 6 | 30 |
学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。
全体に右上がりで、正の関連が見えます。ただし2分から3分で温度は下がっており、完全な直線ではありません。点を結ぶ折れ線にしないのは、散布図では横軸の順序より2変数の組合せを見たいからです。
見るべき特徴
Section titled “見るべき特徴”- 方向:右上がり、右下がり、明らかな傾向なし。
- 形:直線的か、曲がっているか。
- ばらつき:同じ横軸値でも縦軸値が大きく散らばるか。
- 群:設備や材料で別のまとまりがないか。
- 特異な点:記録間違いや特別な条件でないか。
直線的な傾向が弱くても、U字のような関係があるかもしれません。「相関が弱い=無関係」と決めません。4級では図を読む目的を理解し、相関係数の詳しい計算は統計検定3級で学べます。
関連が見えても原因とは限らない
Section titled “関連が見えても原因とは限らない”設定時間が長い日に外気温も高かった、扱う材料も違った、という可能性があります。第三の条件が両方へ関わると、一方が他方を変えたように見えることがあります。層別や現場観察、条件をそろえた適切な試行などで確かめます。
散布図で関係が見えた範囲を超えて予測するのも慎重にします。1〜6分の観測から、60分でも同じ直線的な上昇が続くとは分かりません。
データの取り方も確認する
Section titled “データの取り方も確認する”温度を測る位置やタイミングが違えば比較できません。測定器、単位、記録時刻、試行条件をそろえます。横軸と縦軸を逆にしても関連の有無は同じですが、原因候補と結果を置く際は、その考え方を明記します。軸に置いたというだけで因果方向が決まるわけではありません。
夏ほど冷房使用量も来客数も増えた。冷房を増やせば必ず来客が増えると結論できるか?
解答・解説
できません。気温や季節など第三の条件が関わる可能性があります。関連の観測と、介入した効果の確認を区別します。