6. CVP分析
何のために必要か
Section titled “何のために必要か”CVPはCost・Volume・Profit、すなわち費用・数量・利益の関係を分析します。「月に何個売れば赤字を避けられるか」「目標利益には何個必要か」を、数量計画へ変換する道具です。変動費・固定費をどう分けるかは固変分解の特集で詳しく説明しています。ここからは青葉社の年次データと別の月次事例を使います。
例題:1個2,000円の商品
Section titled “例題:1個2,000円の商品”単価p=2,000円、単位変動費v=1,200円、月間固定費F=240,000円とします。生産量と販売量は等しく、在庫変化なし、関連範囲内で単価・単位変動費・固定費が一定と仮定します。
単位限界利益は800円、限界利益率は 。限界利益は、売上から変動費を控除して固定費回収と利益に充てる金額です。財務P/Lの売上総利益と同じとは限りません。
| 月間販売量 | 売上 | 変動費 | 限界利益 | 固定費 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200個 | 400,000円 | 240,000円 | 160,000円 | 240,000円 | −80,000円 |
| 300個 | 600,000円 | 360,000円 | 240,000円 | 240,000円 | 0円 |
| 400個 | 800,000円 | 480,000円 | 320,000円 | 240,000円 | 80,000円 |
| 500個 | 1,000,000円 | 600,000円 | 400,000円 | 240,000円 | 160,000円 |
月次の学習用モデル。売上2,000Qと総費用240,000+1,200Qの交点は300個・60万円。400個なら両線の差8万円が営業利益です。
- 青実線:売上
- 橙破線:総費用
- 丸:損益分岐点300個・60万円
- 縦軸:万円。表は円
チャートを読み込んでいます。数値は本文・表でも確認できます。
グラフの数値を表で確認する
| 販売数量(個) | 売上(円) | 総費用(円) | 営業利益(円) |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 240000 | -240000 |
| 200 | 400000 | 480000 | -80000 |
| 300 | 600000 | 600000 | 0 |
| 400 | 800000 | 720000 | 80000 |
| 500 | 1000000 | 840000 | 160000 |
| 600 | 1200000 | 960000 | 240000 |
学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。
損益分岐点と目標利益
Section titled “損益分岐点と目標利益”目標営業利益160,000円なら、必要数量は 個です。端数が出て商品が整数単位なら、目標達成には切り上げます。税引後目標を税率tで税引前に直すなら ですが、税額が単純比例とする仮定が必要です。
安全余裕率と営業レバレッジ
Section titled “安全余裕率と営業レバレッジ”400個販売時の安全余裕率は 。現在売上から何%減ると分岐点に届くかを表し、赤字になる確率ではありません。
営業レバレッジ度は限界利益/営業利益で、。同じ条件で数量が10%増えて440個になると、利益112,000円で40%増です。分岐点で利益0のときはこの比率を定義できず、固定費や価格が変わる範囲にも無条件に使えません。
複数製品と前提の点検
Section titled “複数製品と前提の点検”Aの単位限界利益800円、Bが900円で、販売数量比がA:B=2:1に固定なら、1組の限界利益は2,500円。固定費240,000円の回収には96組、すなわちA192個・B96個が必要です。販売構成が変われば分岐点も変わります。全社の平均率をすべての製品に当てはめないようにします。
値引き、追加シフト、設備能力の上限、数量割引で費用構造は変わり得ます。需要の弾力性で販売反応を、予想技法で数量・費用の見通しを補い、複数シナリオで確認します。
単価2,000円のまま単位変動費が1,300円へ上がると、損益分岐点数量と400個時の営業利益はいくらですか。
解答・解説
理論分岐点は 個。整数販売なら343個以上で非赤字です。400個時の利益は 円。