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19. 原価差異分析

予定より費用が多かったとき、仕入単価が上がったのか、材料を余分に使ったのか、生産量が違ったのかでは対応が変わります。標準原価差異は、実際生産量に対する標準と実際を比較して、差を分解する方法です。

本章では費用超過を正=不利、費用節約を負=有利とします。予算差異の「利益への影響」は逆符号になる場合があります。数量、単価、実際生産量、標準の適用範囲を先に確認します。

例題①:材料価格差異・数量差異

Section titled “例題①:材料価格差異・数量差異”

標準は製品1個につき材料2kg・500円/kg。実際100個を作り、材料210kgを520円/kgで使用したとします。購入量と使用量は同じ、期首・期末材料在庫なしの簡略例です。

比較計算金額
実際費用210kg×520円109,200円
実際数量を標準価格で評価210kg×500円105,000円
実際生産量に対する標準100個×2kg×500円100,000円

価格差異 210×(520−500)=4,200210\times(520-500)=4{,}200 円、数量差異 (210−200)×500=5,000(210-200)\times500=5{,}000 円。合計9,200円の不利差異で、実際109,200−標準100,000と一致します。

購入時に価格差異を認識し、材料在庫が残る場合は、価格差異へ購入数量を使うなど、認識時点と在庫処理を別途確認します。単価上昇が品質向上や不良減少をもたらす場合もあるため、購買部門だけに責任を帰せず、品質・歩留まり・市場価格を調べます。

例題②:労務費の賃率・作業時間

Section titled “例題②:労務費の賃率・作業時間”

標準4時間/個・1,500円/時間、実際100個、実際420時間・1,600円/時間なら、

賃率差異=420(1,600−1,500)=42,000円\text{賃率差異}=420(1{,}600-1{,}500)=42{,}000\text{円} 時間差異=(420−400)1,500=30,000円\text{時間差異}=(420-400)1{,}500=30{,}000\text{円}

合計72,000円の不利差異は、実際672,000−標準600,000に一致します。時間には技能、故障、材料品質、段取りの影響も含まれます。残業代が増えても、すべて担当者の非効率とはいえません。

変動製造間接費の標準300円/時間、実際時間420時間、実際生産に許される標準時間400時間、実際費用140,000円とします。支出差異は 140,000−420×300=14,000140{,}000-420\times300=14{,}000 円、能率差異は (420−400)×300=6,000(420-400)\times300=6{,}000 円。合計20,000円不利です。

別の固定製造間接費の例で、予算150,000円、基準操業度500標準時間、配賦率300円/時間、実際生産の標準時間400時間、実際固定費155,000円とします。予算差異は5,000円不利、操業度差異は (500−400)×300=30,000(500-400)\times300=30{,}000 円不利、合計35,000円。実際155,000−製品への配賦120,000と一致します。

操業度差異は固定費が予定と同額でも、基準より少ない標準時間で配賦した結果として発生します。直ちに同額の現金の無駄と断定せず、需要・能力・操業予定を確認します。差異の分類名・公式・基準操業度は採用する制度や教材で異なるため、比較する資料の定義を確認します。

異常差異の確認、原因の仮説、現場・購買・営業を含む対話、改善策、担当・期限、再測定をつなげます。標準の古さや製品構成の変化も検討します。DXで材料ロット、購買価格、工程時間、製品数量を対応付け、差異計算と元帳を照合します。

材料の標準価格500円/kg、実際使用量220kg、実際価格480円/kg、標準使用量200kgなら、価格・数量差異と合計はいくらですか。

解答・解説

価格差異220×(480−500)=−4,400円(有利)、数量差異(220−200)×500=+10,000円(不利)、合計+5,600円(不利)。実際105,600−標準100,000と一致します。