4. データ収集・サンプリング・変換
解析の前にデータを疑う
Section titled “解析の前にデータを疑う”知りたい全体が母集団、調べた一部がサンプルです。母集団が今月の全生産なのに、取りやすい午前の品物だけを測ると偏りが生じます。無作為化や収集時間の計画で対象を代表するようにし、ロット・設備・材料・担当など層別に必要な項目も残します。
長さ、温度、時間は計量値。不適合品数、傷の数などは計数値です。測定値を整数表示しても計量値の性質は変わりません。言語データも分類ルールを決めて使えます。分母と重複の扱いはQC4級の例でも確認できます。
サンプルを替えたときに結果が変わる抽出上の誤差と、測定器・測定者・方法による誤差を分けます。標本数を増やすと通常は抽出のばらつきが小さくなりますが、ずれた測定器や偏った抽出の系統的な誤差は消えません。精度が高く見える多数の値でも、真の状態からずれることがあります。
例題:基準からの差に変換する
Section titled “例題:基準からの差に変換する”寸法が101、102、103mmのとき、 とすれば1、2、3になります。平均は102mmから2mmへ変わり、ばらつきは変わりません。さらに とすれば0.5、1、1.5となり、標準偏差は半分、分散は1/4です。
一般に では
定数を足しても分散は変わりません。負の係数でも標準偏差は負にならないことに注意します。変換値で集計したなら、結果を元の単位へ戻して説明します。
集計前に確認すること
Section titled “集計前に確認すること”測定単位、桁、日時、判定基準、欠測、同じ対象の二重記録を点検します。大きく外れた値は、誤記か、本当の異常かを元記録へ戻って確認します。見た目の良い結果にするために削除してはいけません。訂正の理由と元の値を残します。
計量値を適合/不適合にまとめると扱いやすくなりますが、寸法の中心や広がりの情報が失われます。改善目的に必要な粒度を考え、可能なら元の測定値も保存します。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”データの種類、標本調査、確率変数の変換と分散を参照してください。抽出誤差と測定・選択の偏りを分ける考え方は、職場の検査と社会調査で共通です。
と変換すると、平均10、標準偏差2はどう変わるか?
解答・解説
平均35、標準偏差6、分散36です。5の加算はばらつきに影響しません。