8. 信頼区間と被覆確率
何のために使うか
Section titled “何のために使うか”点推定だけでは不確実性が分かりません。信頼区間は「同じ手続きを反復したとき、真の母数を含む割合」が設定値になるよう作ります。観測後の固定された母数に95%の確率を割り当てるのは、頻度論の説明ではありません。
正規平均・分散未知の場合、母数を含み分布が既知の量(ピボット) を用い、
を について解きます。 なら 、約 。独立な正規標本なら厳密です。
二項比率:Wald区間の弱点
Section titled “二項比率:Wald区間の弱点”は簡単ですが、成功0回では幅0になり、少数例で被覆確率が悪くなります。スコア検定の不等式
を について解くWilson区間は
なら約 。「観測されなかった」は「起こらない」ではありません。二項の正確区間は離散性のため保守的になりがちですが、正規近似への依存を減らせます。
検定の反転という共通原理
Section titled “検定の反転という共通原理”各候補 を帰無仮説として検定し、棄却されなかった値の集合を区間にします。尤度比区間なら、正則な大標本で 。非対称な尤度から非対称な区間が自然に得られます。nuisance parameter(関心外母数)があればプロファイル尤度で候補値ごとに最大化します。
分散・比の区間も作る
Section titled “分散・比の区間も作る”正規母分散は を反転し、下端は上側分位点で割ります。独立な正規2標本の分散比はF分布を使います。平均の信頼区間、将来の個別値の予測区間、回帰の平均応答区間は対象が異なります。個別値には観測誤差も加わるため通常は幅が広くなります。
95%区間を100回作ると、必ず95本が真値を含むか?
解答・解説
必ずではありません。各区間の被覆確率が0.95なら、含む本数の期待値が95です。独立に反復すれば本数は二項分布に従います。