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8. 信頼区間と被覆確率

点推定だけでは不確実性が分かりません。信頼区間は「同じ手続きを反復したとき、真の母数を含む割合」が設定値になるよう作ります。観測後の固定された母数に95%の確率を割り当てるのは、頻度論の説明ではありません。

正規平均・分散未知の場合、母数を含み分布が既知の量(ピボット)T=(Xˉ−μ)/(S/n)T=(\bar X-\mu)/(S/\sqrt n) を用い、

P(−tn−1,0.975≤T≤tn−1,0.975)=0.95P\left(-t_{n-1,0.975}\le T\le t_{n-1,0.975}\right)=0.95

を μ\mu について解きます。n=10,xˉ=12,s=3n=10,\bar x=12,s=3 なら 12±2.2622×3/1012\pm2.2622\times3/\sqrt{10}、約 [9.854,14.146][9.854,14.146]。独立な正規標本なら厳密です。

p^±1.96p^(1−p^)/n\hat p\pm1.96\sqrt{\hat p(1-\hat p)/n} は簡単ですが、成功0回では幅0になり、少数例で被覆確率が悪くなります。スコア検定の不等式

n(p^−p)2p(1−p)≤z2\frac{n(\hat p-p)^2}{p(1-p)}\le z^2

を pp について解くWilson区間は

p^+z2/(2n) ± zp^(1−p^)/n+z2/(4n2)1+z2/n.\frac{\hat p+z^2/(2n)\ \pm\ z\sqrt{\hat p(1-\hat p)/n+z^2/(4n^2)}}{1+z^2/n}.

n=10,x=0,z=1.96n=10,x=0,z=1.96 なら約 [0,0.2775][0,0.2775]。「観測されなかった」は「起こらない」ではありません。二項の正確区間は離散性のため保守的になりがちですが、正規近似への依存を減らせます。

各候補 θ\theta を帰無仮説として検定し、棄却されなかった値の集合を区間にします。尤度比区間なら、正則な大標本で 2{ℓ(θ^)−ℓ(θ)}≤χ1,0.9522\{\ell(\hat\theta)-\ell(\theta)\}\le\chi^2_{1,0.95}。非対称な尤度から非対称な区間が自然に得られます。nuisance parameter(関心外母数)があればプロファイル尤度で候補値ごとに最大化します。

正規母分散は (n−1)S2/σ2∼χn−12(n-1)S^2/\sigma^2\sim\chi^2_{n-1} を反転し、下端は上側分位点で割ります。独立な正規2標本の分散比はF分布を使います。平均の信頼区間、将来の個別値の予測区間、回帰の平均応答区間は対象が異なります。個別値には観測誤差も加わるため通常は幅が広くなります。

95%区間を100回作ると、必ず95本が真値を含むか?

解答・解説

必ずではありません。各区間の被覆確率が0.95なら、含む本数の期待値が95です。独立に反復すれば本数は二項分布に従います。