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5. 労働市場・失業と賃金

失業率が低いと採用は難しくなるか、名目賃金の上昇は実質的な処遇改善か。人件費・採用・生産能力の計画には、労働市場の数字を正しく読む必要があります。

就業者と失業者を合わせたものが労働力人口です。失業者は一般に、仕事がなく、就業可能で、求職しているなどの条件で判定されます。単に働いていない人すべてではありません。

就業者950万人、失業者50万人、非労働力人口200万人なら、失業率は 50/(950+50)=5%50/(950+50)=5\%。労働参加率は対象人口を1,200万人としたとき 1,000/1,200≈83.33%1{,}000/1{,}200\approx83.33\% です。求職をやめて非労働力化すると、雇用が増えなくても失業率が下がる場合があります。

名目賃金をW、物価をPとすると実質賃金は W/PW/P。価格受容企業の労働需要は、内点で MPL=W/PMP_L=W/P を満たすよう決まります。

実質労働需要が Ld=120−2wL_d=120-2w、労働供給が Ls=20+3wL_s=20+3w の単純モデルなら、均衡は w=20,L=80w=20,L=80。これは柔軟な賃金・同質労働等を仮定しています。賃金上昇で余暇の価値と所得効果が変わる労働供給の詳細はミクロ5章を参照してください。

仕事探し・転職に時間がかかる摩擦的失業、技能や地域の不一致等による構造的失業、景気による需要不足と結び付く循環的失業を区別します。自然失業率は、経済が通常の稼働状態にあるときにも残る失業を考える理論概念で、0%を意味しません。制度や人口構成に応じて変わり得ます。

就業から失業への移行率s、失業から就業への移行率fが一定の2状態モデルでは、定常失業率は u∗=s/(s+f)u^*=s/(s+f)。s=0.02,f=0.18s=0.02,f=0.18 なら10%です。この簡単なモデルは労働参加の変化等を省略しています。

賃金が柔軟に下がらない理由には契約、交渉、効率賃金などがあります。効率賃金は、高い賃金が努力や定着を改善する可能性を考える理論です。賃金を上げれば必ず生産性が上がるという一般則ではありません。

平均時給だけでなく、採用・教育費、離職、欠員、品質への影響も整理します。失業率の変化と自社の採用難易度を結び付ける際は、地域や職種などの集計範囲を合わせます。標本調査の代表性にも注意します。

名目賃金が3%上がり物価が5%上がると、実質賃金の変化率は正確にはいくらですか。

解答・解説

1.03/1.05−1≈−1.905%1.03/1.05-1\approx-1.905\%。単純な差の−2%は近似です。

学習ガイド