コンテンツにスキップ

9. 散布図・相関係数

相関係数は2変数の直線的な関連の方向と強さを要約します。曲線、外れ値、複数群の混合を一つの数で見落とさないよう、最初に散布図を描きます。1点は同じ対象・試行から得た一組で、xとyを別々に並べ替えてはいけません。

x=(1,2,3,4,5)x=(1,2,3,4,5)、対応する y=(2,1,4,3,5)y=(2,1,4,3,5) とします。どちらも平均3です。

Sxx=∑(xi−xˉ)2=10,Syy=10,Sxy=∑(xi−xˉ)(yi−yˉ)=8.S_{xx}=\sum(x_i-\bar x)^2=10,\quad S_{yy}=10,\quad S_{xy}=\sum(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)=8. r=SxySxxSyy=810=0.8.r=\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx}S_{yy}}}=\frac8{10}=0.8.
相関係数0.8の対応データ

架空の5組。右上がりだが完全な直線ではない。横軸と縦軸は学習用の指標で、単位を変えても正の倍率なら相関は変わらない。

  • 青点:対応する5組、r=0.8
グラフの数値を表で確認する
xy
12
21
34
43
55

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

値の範囲は−1〜1。1と−1は完全な直線関係、0は直線的関連がないことを表します。一方の変数が一定なら分母0で相関は定義できません。

cmをmmへ直しても、正の倍率と定数加算だけならrは変わりません。一方だけを負の倍率で変換すれば符号が反転します。共分散は単位に依存しますが、相関は両者の標準偏差で割っているため無次元です。

大きな相関でも、データ数が少ない、範囲が限られる、特定の1点に依存する、などを点検します。曲線的な関連が強くてもrは0近くになり得ます。異なる設備の点群を一緒にすると、群間差だけで見かけの関連が出ることもあります。

温度と不適合が同時に上がっても、材料の違いや時間帯が関わっているかもしれません。因果は工程知識と適切な比較で確かめます。相関は対称的な関連の量、回帰はある変数から応答を予測・説明するモデルです。r=0.8から「xを1増やすとyが0.8増える」とは読めません。

相関の基本で図の読み方、回帰で傾きと予測の違いを学べます。2級の関連の分析も層別の復習に使えます。回帰式や母相関の検定の詳しい計算は、QC3級の中心範囲と区別した発展学習です。

Sxx=4,Syy=9,Sxy=−3S_{xx}=4,S_{yy}=9,S_{xy}=-3 の相関係数は?

解答・解説

−3/36=−0.5-3/\sqrt{36}=-0.5。負の直線的関連を示しますが、因果関係はこの数だけでは分かりません。