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16. 平均値・範囲の管理図を作る

Xˉ\bar X管理図は中心位置の変化、R管理図は群内ばらつきの変化を見ます。群内の変動が不安定だと平均値側の限界の根拠も疑わしくなるため、両方を確認します。各群の大きさnに応じた係数表を使います。

寸法mmの架空データを次のように与えます。最初の5群を限界計算、6群目を確認用とする練習です。実務で十分な予備データの群数を、この5群でよいと推奨するものではありません。

群測定値群平均範囲R
19, 10, 10, 11102
210, 10, 11, 1110.51
39, 9, 10, 109.51
410, 10, 10, 10100
510, 11, 11, 12112
6:確認12, 13, 13, 14132

最初の5群から Xˉˉ=51/5=10.2\bar{\bar X}=51/5=10.2、Rˉ=6/5=1.2\bar R=6/5=1.2。n=4に対し A2=0.729,D4=2.282A_2=0.729,D_4=2.282 を使用します。

UCLXˉ=Xˉˉ+A2Rˉ=11.0748,CLXˉ=10.2,LCLXˉ=Xˉˉ−A2Rˉ=9.3252,UCLR=D4Rˉ=2.7384,CLR=1.2.\begin{aligned} UCL_{\bar X}&=\bar{\bar X}+A_2\bar R=11.0748,\\ CL_{\bar X}&=10.2,\\ LCL_{\bar X}&=\bar{\bar X}-A_2\bar R=9.3252,\\ UCL_R&=D_4\bar R=2.7384,\qquad CL_R=1.2. \end{aligned}

R側の下方限界は、n=4では通常設定しません。係数表で D3=0D_3=0 と表す方式なら数式上は0ですが、下方異常の検出線として有効な正の限界はありません。使う資料の表記を確認します。

6群目の平均13mmが上方管理限界を超える

最初の5群からCL10.2、UCL11.0748、LCL9.3252を計算。6群目は監視の例として追加し、限界計算には含めない。

  • 青点・実線:群平均
  • 灰実線:CL10.2
  • 橙破線:UCL11.0748/LCL9.3252
  • 1〜5群で限界を計算、6群は確認用
グラフの数値を表で確認する
群測定値(mm)群平均(mm)CLUCLLCL
19, 10, 10, 111010.211.07489.3252
210, 10, 11, 1110.510.211.07489.3252
39, 9, 10, 109.510.211.07489.3252
410, 10, 10, 101010.211.07489.3252
510, 11, 11, 121110.211.07489.3252
612, 13, 13, 141310.211.07489.3252

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

群内の範囲はこの上方限界内

同じ6群のRを表示。CL1.2、UCL2.7384。n=4のため下方検出線は描かない。全点が上限内でも、他のルールや予備データの妥当性は別に確認する。

  • 青点・実線:群内範囲
  • 灰実線:CL1.2
  • 橙破線:UCL2.7384、下方検出線は設定しない
グラフの数値を表で確認する
群群内範囲R(mm)CLUCL
121.22.7384
211.22.7384
311.22.7384
401.22.7384
521.22.7384
621.22.7384

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

6群目は群内の広がりは同程度でも、中心が移った可能性があります。測定器、設定、材料、方法などを調査します。最終的に不適合かどうかは、別の規格と比較して判断します。

群サイズを変えると係数も変わります。nは群の個数5や6ではなく、1群の測定数4です。全データを一度に並べた最大値−最小値は、ここで使う平均範囲 Rˉ\bar R ではありません。

平均と範囲、標本平均と標準誤差を復習してください。群サイズが大きいほど平均の変動が小さくなるため、個々の値と群平均へ同じ幅の線を引きません。

n=4、全平均20、平均範囲2、A2=0.729A_2=0.729 のとき平均値管理図の上下限は?

解答・解説

上限21.458、下限18.542です。R管理図の上限には別の係数 D4D_4 を使います。