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1. 経営の基本と管理会計

「売上を増やしたのに利益が残らない」「現場は忙しいのに、改善の成果が分からない」。数字があっても、何を達成したいか、どの活動を変えたいかが曖昧なら判断へつながりません。管理会計は、経営目的を実行可能な計画と評価へ落とすために必要です。

経営では顧客へ価値を届け、資源を確保・配分し、事業を継続します。利益だけでなく、現金、品質、納期、人材、将来の競争力も重要です。短期利益の最大化が長期の企業価値と必ず一致するわけではありません。

段階決めること例
目的誰へどの価値を届けるか小口でも短納期で供給する
戦略何を選び、どこへ資源を使うか小口対応を強みにし、受注処理を標準化する
活動どの仕事が価値と費用を生むか見積もり、受注、段取り、配送
指標結果と先行要因をどう測るか顧客別限界利益、段取り回数、納期遵守率
行動誰が何をいつまでに変えるか入力を自動化し、例外受注を週次で見直す

マーケティングによる顧客価値とバリューチェーンの分析が、活動を把握する入口になります。DXはデータの定義・入力・連携・更新を整える基盤です。統計学はばらつきと関係を読み、経済学は需要・競争・資源配分の前提を補います。

例題:売上では見えない注文の違い

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架空の顧客A・Bは各月売上100万円、商品に直接対応する費用60万円で同じとします。受注処理の活動原価は1件2,000円、Aは10件、Bは50件です。活動原価率が両顧客に妥当で、他の条件が同じとします。

顧客売上直接対応費用受注処理の活動原価ここまでの差引
A100万円60万円2万円38万円
B100万円60万円10万円30万円

売上と商品粗利は同じでも、活動まで捉えると8万円の違いがあります。ただし差引は会社全体の共通費控除後利益ではありません。また活動原価率に固定的な人件費が含まれるなら、件数減少で同額の支出を直ちに削減できるとは限りません。

この数字から顧客Bを切ると結論するのではなく、まとめ発注、セルフ入力、サービス価格、顧客に必要な価値を検討します。活動の改善が継続取引や品質に与える影響も確かめます。原価計算・ABCと差額分析で掘り下げます。

予算を作る際は、数量・価格・活動・担当・期限を決めます。実行後は差異を分解し、外部環境の変化と自社で管理できる要因を区別します。評価は罰のためだけでなく、前提と方法の更新に使います。

売上件数だけを評価すると小口受注が増えて処理負担が膨らむことがあります。結果指標とプロセス指標を組み合わせ、指標を良くする行動が経営目的にも合うかを確認します。情報とインセンティブやQCの考え方ともつながります。

顧客Bの受注件数が50から30へ減り、売上・直接対応費用と活動原価率が同じなら差引はいくらですか。それはそのまま現金削減額ですか。

解答・解説

受注処理原価6万円、差引34万円です。配賦上は4万円改善しますが、担当者の給与などが変わらなければ、同額の現金支出が減るとは限りません。余力を他の仕事へ使える価値も別に確認します。