統計検定1級 学習ガイド
1級では、公式に数値を入れるだけでなく、モデルの仮定から推定・検定を導き、結果が何を意味するかを説明します。このコースは統計数理、統計応用の共通事項、人文科学・社会科学・理工学・医薬生物学の4分野を扱う全32章です。各章に目的、計算例、注意点、解説を開ける確認問題があります。
2級から進む前に
Section titled “2級から進む前に”2級コースの推定・検定、回帰、分散分析を復習してください。公式には準1級までの知識が前提です。本コースでは多変量解析、確率過程、GLM、計算統計などの橋渡しも説明しますが、準1級の独立した対策コースではありません。
数学では微分・積分、テイラー展開、偏微分、行列の積・逆行列・固有値が必要です。分布を導く際は「密度の積分が1」「支持域」「独立性」を確認し、行列式を使う際は次元と正則性を確認しましょう。行列や漸近記号に不慣れなら、最初は数値例を計算してから一般式に戻ると進みやすくなります。
統計数理を学ぶ
Section titled “統計数理を学ぶ”| 章 | 学ぶこと |
|---|---|
| 1. 確率・条件付き分布・母関数 | 観測で確率を更新し、期待値・分散を分解する |
| 2. 離散分布 | 復元・非復元、待ち時間、多分類をモデル化する |
| 3. 連続分布 | 支持域と裾、寿命とハザードから分布を選ぶ |
| 4. 変数変換・多変量正規 | ヤコビアン、線形結合、条件付き分布を導く |
| 5. 十分性・順序統計量 | 母数情報を残す要約と標本分布を求める |
| 6. 尤度・情報量 | 推定法と推定量の良さを比べる |
| 7. 漸近理論 | CLT、MLEの近似、デルタ法で精度を出す |
| 8. 信頼区間 | ピボット・検定の反転と被覆確率を理解する |
| 9. 検定の導出 | 最強力検定、尤度比、検出力を計算する |
| 10. 分布ごとの推測 | 正確計算と近似、対応あり・なしを区別する |
| 11. モデル評価 | KL、AIC、交差検証で予測を評価する |
| 12. 線形モデル | OLS、BLUE、GLS、制約検定、Lassoをつなぐ |
| 13. 実験計画とANOVA | 交互作用、ブロック、ANCOVA、多重性を扱う |
| 14. 分割表 | 独立・対応・少数例で検定を選ぶ |
| 15. ノンパラメトリック法 | 符号と順位で何を検定するか理解する |
| 16. 不完全データ | 欠測・打ち切り・切断を区別する |
| 17. ベイズ法 | 共役更新、事後予測、階層モデルを使う |
| 18. 計算統計 | モンテカルロ、MCMC、再標本化を評価する |
共通事項は19. 調査と標本数 → 20. 多変量解析 → 21. GLM・判別 → 22. 確率過程 → 23. 時系列の順が目安です。
| 分野 | 分野別の章 | 先に読む共通の章 |
|---|---|---|
| 人文科学 | 24. 尺度・テスト、25. 対応分析・SEM | 14、19、20 |
| 社会科学 | 26. 計量・パネル、27. 経済指数 | 12、19、21、23 |
| 理工学 | 28. 直交表・線形推測、29. 品質・信頼性 | 3〜7、12〜13、20、22〜23 |
| 医薬生物学 | 30. デザイン・効果、31. 生存・反復測定、32. 検査性能 | 9、14〜16、19、21 |
公式の統計応用では4分野から1分野を選択します。本教材は分野間のつながりも学べるよう、4分野を掲載しています。試験制度は公式案内を確認してください。
論述を練習する
Section titled “論述を練習する”- 推定対象と仮説を記号と言葉で書く。
- 標本単位、分布、独立性、母数の範囲を宣言する。
- 尤度や目的関数から導き、微分・分布・自由度の根拠を示す。
- 数値だけでなく単位、方向、区間、適用限界を説明する。
総合演習32問は各章に対応する独自問題です。手法選択・公式早見表と公式範囲対応表で復習できます。教材は非公式の学習ノートで、公式過去問の転載ではありません。公式範囲の各領域への入口を網羅していますが、あらゆる証明・発展問題を尽くすものではありません。論述の仕上げには公式問題集等で演習を重ねてください。