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29. 理工学:品質管理・工程能力・信頼性

管理図は工程が時間的に安定しているかを見る道具で、規格限界は製品に求める条件です。管理限界内でも規格を満たすとは限りません。工程能力は、安定性を確認した上で、分布と規格の関係を評価します。

母平均 μ\mu、工程標準偏差 σ\sigma が既知で、各時点に独立な nn 個を取る平均値管理図なら、中心線 μ\mu、管理限界 μ±3σ/n\mu\pm3\sigma/\sqrt n。実際は予備データから推定するため推定誤差もあります。平均の変化とばらつきの変化を分けるためR図やS図も併用します。不良率にはp管理図、一定曝露の件数にはc管理図など、分布と分母に合わせます。

正規・独立・母数既知の単一点3σルールでは、誤警報確率は約0.0027、管理状態での平均連長は約370です。連や傾向の補助ルールを加えると誤警報率も変わります。自己相関があるデータへ独立の限界を使うと警報が多発する場合があります。

規格下限90、上限110、工程平均104、標準偏差2なら

Cp=USL−LSL6σ=2012=1.6667,Cpk=min⁡{USL−μ3σ,μ−LSL3σ}=1.C_p=\frac{USL-LSL}{6\sigma}=\frac{20}{12}=1.6667,\qquad C_{pk}=\min\left\{\frac{USL-\mu}{3\sigma},\frac{\mu-LSL}{3\sigma}\right\}=1.

幅だけを見ると余裕がありますが、平均が上限へ寄っているため上側が制約になります。非正規分布、工程不安定、推定の標本誤差があるとき、指数だけから不良率を断定しません。工程内ばらつきと長期の総ばらつきの区別も明記します。

信頼性は所定条件で一定時間機能を保つ性質で、R(t)=P(T>t)R(t)=P(T>t)。独立な部品の直列システムなら Rs=∏RiR_s=\prod R_i、並列なら Rp=1−∏(1−Ri)R_p=1-\prod(1-R_i)。信頼度0.9の部品2個で直列0.81、並列0.99です。共通原因故障があれば独立の式は使えません。

同じ100時間生存率でも故障の仕方は違う

青実線は率0.01の指数分布、橙破線は形2・尺度100のワイブル分布。いずれも100時間で生存率eの−1乗だが、ハザードの時間変化は異なる。

  • 青実線:指数・率0.01
  • 橙破線:ワイブル・形2、尺度100
グラフの数値を表で確認する
時間(時間)指数の生存率ワイブルの生存率
011
500.6065310.778801
1000.3678790.367879
1500.223130.105399
2000.1353350.018316

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

保全性は故障後の修復しやすさです。独立な稼働・修復サイクルを想定する長期稼働率は MTBF/(MTBF+MTTR)\mathrm{MTBF}/(\mathrm{MTBF}+\mathrm{MTTR})。平均稼働100時間、平均修復5時間なら約0.9524。「稼働率が高い」と「一定期間無故障である確率が高い」は別の問いです。打ち切られた寿命は生存解析として扱います。

CpC_p が高いだけで工程を合格と判断できない理由は?

解答・解説

中心のずれを見ておらず、工程が安定している保証もありません。CpkC_{pk}、時系列の状態、分布、推定の不確実性を確認します。