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17. 安全衛生・ヒヤリハット・KY活動

納期や能率のために危険を見過ごせば、よい仕事とは言えません。安全は事故やけがを防ぐこと、衛生は健康を守る作業条件や環境を整えることに関わります。工場の機械だけでなく、事務所の通路、運搬、姿勢、照明、疲労なども職場の課題になります。

この章はQC検定の概念学習です。実際の作業や異常対応は、職場の教育・手順・責任者の指示に従います。

ヒヤリハットは失敗者を探すためではない

Section titled “ヒヤリハットは失敗者を探すためではない”

けがには至らなかったが危険を感じた事象を、日時・場所・作業・状態とともに共有します。通路の箱につまずきそうになった、似た容器を取り違えそうになった、などです。結果として無傷でも、条件が重なれば事故になり得ます。

報告を増やす初期には、件数が増えることもあります。危険が増えたのか、報告しやすくなって見えるようになったのかを区別します。「件数ゼロ」を目指して報告を控えると、予防の材料が失われます。

ハインリッヒの法則を正しく読む

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1:29:300は、重い災害の背景に多くの軽い災害や無傷害の事象があるという経験的な関係を示す有名な比率です。どの職場でも、ヒヤリハット300件で必ず事故1件が発生するという確率法則ではありません。

重要なのは、小さな兆候の背後にある危険な状態や行動を把握し、対策へつなげることです。厚生労働省のハインリッヒの法則の解説も、比率そのものより危険要因の把握と対応を重視しています。

KYは危険予知。作業の場面から危険を洗い出し、重点を決め、対策や行動目標を共有します。KYT(危険予知訓練)はその力を育てる訓練です。「気を付ける」だけでなく、どの状況で何が起こるか、どう危険を減らすかを具体化します。

例として、荷物で足元が見えず通路の段差につまずく場面なら、荷物の量、通路の状態、運搬方法などを調べます。注意喚起だけでなく、障害をなくす、配置や運搬方法を変えるなど、危険そのものを減らす仕組みを考えます。設備を独断で改造したり、安全装置を無効化したりしてはいけません。

危険を減らす対策を行っても、現場で使えるか、新しい危険が生まれないかを確認します。誰がいつ点検し、異常時に誰へ連絡するかも決めます。5S、標準化、報連相は、その維持に役立ちます。

安全衛生は働く本人だけでなく、周囲の人、来訪者、製品の利用者にも関わります。個人の注意だけに頼らず、管理・設計・教育・確認を組み合わせる視点を持ちます。

今月のヒヤリハット報告が倍増した。職場が必ず危険になったと言えるか?

解答・解説

必ずとは言えません。報告制度の改善などで把握が進んだ可能性もあります。内容・重大性・作業量・報告条件を確認し、危険への対策につなげます。