15. 順位・符号・ノンパラメトリック法
正規性を置かないための工夫
Section titled “正規性を置かないための工夫”極端な値に引っ張られやすい平均の代わりに、符号や順位に情報を置き換えます。ただし「ノンパラメトリック=仮定がない」ではありません。独立性、連続性、交換可能性、対称性など、各手法の仮定を確認します。
| 手法 | データ | 主な帰無仮説・条件 |
|---|---|---|
| 符号検定 | 1標本または対応差 | 中央値からの正負が等確率。0差の扱いを規定 |
| Wilcoxon符号付き順位 | 対応差 | 差の連続分布が0について対称 |
| Wilcoxon順位和 / Mann–Whitney U | 独立2群 | 同じ連続分布。位置差の解釈には形状の条件 |
| Spearman順位相関 | 対になった2変数 | 単調な関連の指標。順位の同順位補正が必要 |
| Kendallの | 対になった2変数 | 一致ペアと不一致ペアの差を用いる |
例題:順位和を計算する
Section titled “例題:順位和を計算する”A群 、B群 を合わせると、Aの順位は1、2、4で順位和 。。この定義では「AがBより大きい」ペアの数です。逆側の と定義する流儀もあります。
帰無下ではラベルの振り分けは 通り。 の割付は2通りなので片側p値0.1、対称な両側では0.2。小さな例なら全列挙で正確計算でき、正規近似は不要です。単なる中央値差の検定と呼ぶと、分布形が違う場合に誤解を招きます。
符号付き順位との違い
Section titled “符号付き順位との違い”対応差 なら、絶対値の順位1、2、3、4に元の符号を戻し、正の順位和は8、負は2です。大きな変化に大きい順位を与えるため、符号検定より量的な情報を残します。対称性が疑わしいなら符号検定などを検討し、0差や同順位では通常と異なる正確分布・分散補正が必要です。
順位相関と並べ替え
Section titled “順位相関と並べ替え”同順位がないとき 。順位を使うことで単調変換に不変ですが、因果関係を示すものではありません。置換検定は帰無の下でラベルが交換可能であることを使います。対応のあるデータや時系列を無制約に並べ替えると、その構造を壊します。
順位和検定が有意なら必ず2群の中央値が違うと言えるか?
解答・解説
一般には言えません。分布の広がりや形の違いも影響します。共通形状の位置シフトモデルなど、中央値差として読むための条件を明記します。