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15. 順位・符号・ノンパラメトリック法

極端な値に引っ張られやすい平均の代わりに、符号や順位に情報を置き換えます。ただし「ノンパラメトリック=仮定がない」ではありません。独立性、連続性、交換可能性、対称性など、各手法の仮定を確認します。

手法データ主な帰無仮説・条件
符号検定1標本または対応差中央値からの正負が等確率。0差の扱いを規定
Wilcoxon符号付き順位対応差差の連続分布が0について対称
Wilcoxon順位和 / Mann–Whitney U独立2群同じ連続分布。位置差の解釈には形状の条件
Spearman順位相関対になった2変数単調な関連の指標。順位の同順位補正が必要
Kendallの τ\tau対になった2変数一致ペアと不一致ペアの差を用いる

A群 1,2,41,2,4、B群 3,5,63,5,6 を合わせると、Aの順位は1、2、4で順位和 RA=7R_A=7。UA=RA−nA(nA+1)/2=1U_A=R_A-n_A(n_A+1)/2=1。この定義では「AがBより大きい」ペアの数です。逆側の UB=nAnB−UA=8U_B=n_An_B-U_A=8 と定義する流儀もあります。

帰無下ではラベルの振り分けは (63)=20\binom63=20 通り。UA≤1U_A\le1 の割付は2通りなので片側p値0.1、対称な両側では0.2。小さな例なら全列挙で正確計算でき、正規近似は不要です。単なる中央値差の検定と呼ぶと、分布形が違う場合に誤解を招きます。

対応差 1,−2,3,41,-2,3,4 なら、絶対値の順位1、2、3、4に元の符号を戻し、正の順位和は8、負は2です。大きな変化に大きい順位を与えるため、符号検定より量的な情報を残します。対称性が疑わしいなら符号検定などを検討し、0差や同順位では通常と異なる正確分布・分散補正が必要です。

同順位がないとき rs=1−6∑di2/[n(n2−1)]r_s=1-6\sum d_i^2/[n(n^2-1)]。順位を使うことで単調変換に不変ですが、因果関係を示すものではありません。置換検定は帰無の下でラベルが交換可能であることを使います。対応のあるデータや時系列を無制約に並べ替えると、その構造を壊します。

順位和検定が有意なら必ず2群の中央値が違うと言えるか?

解答・解説

一般には言えません。分布の広がりや形の違いも影響します。共通形状の位置シフトモデルなど、中央値差として読むための条件を明記します。