1. 要求品質・品質特性・顧客価値
「良いもの」を測れる言葉へ
Section titled “「良いもの」を測れる言葉へ”お客様の「使いやすい」「安心できる」を、そのまま検査項目にするのは困難です。要求を理解し、実現すべき品質要素へ分け、確認できる特性に変換します。たとえば配送サービスの「安心」は、約束時刻の遵守、破損の少なさ、追跡の分かりやすさなどへ具体化できます。
品質管理は製造品だけが対象ではありません。接客、情報提供、社内の仕事にも品質があり、環境や社会への影響も含めて考えます。安さや速さだけを最大化せず、QCD+PSMEで他の側面も確認します。
ねらいの品質とできばえの品質
Section titled “ねらいの品質とできばえの品質”設計時に「寸法10.0±0.5mm」を目指すと決めることと、実際に作った品がその要求に合うことは別です。前者はねらい、後者はできばえの品質に関わります。高い目標を掲げても実現できなければ顧客を困らせます。一方、要求と違う低い水準に安定していても、よい品質とは言えません。
例題:要求と代用特性
Section titled “例題:要求と代用特性”顧客要求が「持ち運びやすい容器」のとき、重量だけを管理すれば十分でしょうか。軽くしても持ち手が滑れば、要求を満たさない可能性があります。
| 顧客の言葉 | 確認したい品質要素 | 測定・評価の候補 |
|---|---|---|
| 持ち運びやすい | 重さ、握りやすさ | 質量、持ち手寸法、使用場面での評価 |
| こぼれにくい | 密閉性、安定性 | 規定条件での漏れ、底面形状 |
| 長く使える | 耐久性、手入れ | 所定試験後の状態、清掃性 |
直接測りにくい性質を、関連する別の特性で代表させるのが代用特性です。代用する値を改善したとき、本来の要求も改善するかを確かめます。単に測りやすいから採用するのではありません。
当たり前品質と魅力的品質
Section titled “当たり前品質と魅力的品質”配送で「破損がない」は満たされないと強い不満を生む一方、満たして当然と受け取られやすい要素です。「受取時刻を細かく選べる」機能は、顧客によっては期待以上の喜びを生むかもしれません。要求の性質を分けると、全機能を同じ基準で増やす発想から離れられます。ただし魅力的だった機能が普及して当たり前になることもあり、顧客層・時点によって変わります。
顧客満足(CS)は、提供したものが顧客の期待・必要にどう応えたかに関係します。顧客価値は得られる便益と負担を合わせて考える視点で、性能の高さだけでは決まりません。内部顧客である後工程の要求も確認します。
統計検定とつなげる
Section titled “統計検定とつなげる”測りたい概念を数値にする際は、データの尺度と調査・実験の設計を確認してください。アンケートの平均点だけで判断せず、質問が要求を捉えているか、回答者に偏りがないかも調べます。
操作の簡単さを「ボタン数」で代表させた。ボタンを減らせば必ず使いやすくなるか?
解答・解説
必ずではありません。メニュー階層や表示が複雑になる場合もあります。代用特性と本来の要求の関係を、使用場面で確かめます。