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14. 二項分布・不適合品数の確率

同じ工程で不適合品率が一定でも、毎回の検査で不適合品数は変わります。各判定が独立で、不適合確率 pp が一定、調べる個数 nn が固定なら、個数 XX を二項分布 B(n,p)B(n,p) で表せます。

P(X=k)=(nk)pk(1−p)n−k,k=0,1,…,n.P(X=k)=\binom nkp^k(1-p)^{n-k},\qquad k=0,1,\ldots,n.

組合せは「どのk個が不適合か」の並び方を数えます。不適合と適合の2結果であること、1個あたりの判定を単位とすることを確認します。一つの品物に複数ある傷の総数は、このままの二項モデルではありません。

仮に p=0.1,n=10p=0.1,n=10 なら、0個の確率は 0.910≈0.3486780.9^{10}\approx0.348678、ちょうど1個は 10(0.1)(0.9)9≈0.38742010(0.1)(0.9)^9\approx0.387420。

P(X≥1)=1−P(X=0)≈0.651322,P(X≤1)≈0.736099.P(X\ge1)=1-P(X=0)\approx0.651322,\qquad P(X\le1)\approx0.736099.

「少なくとも1個」は余事象を使うと簡単です。0個だったとしても、母不適合品率が0と分かったわけではありません。

不適合品率10%、10個検査したときの個数分布

独立・一定確率という仮定の下でのB(10,0.1)。高さは各個数の確率で、すべて足すと1。実測の度数ではない。

  • B(10,0.1)の理論確率
グラフの数値を表で確認する
不適合品数k(個)確率P(X=k)
00.348678
10.38742
20.19371
30.057396
40.01116
50.001488
60.000138
70.000009
80
90
100

学習用のデータ・理論値。狭い画面ではグラフを横にスクロールできます。

E(X)=np,Var⁡(X)=np(1−p),Var⁡(X/n)=p(1−p)n.E(X)=np,\quad\operatorname{Var}(X)=np(1-p),\quad \operatorname{Var}(X/n)=\frac{p(1-p)}n.

この例の平均は1個、分散0.9、標準偏差約0.9487個。平均1個は、毎回1個出るという意味ではありません。率の標準偏差は標本数が増えると小さくなり、p管理図の限界の幅につながります。

同じ材料ロットで不適合がまとまって出るなら独立性が疑わしく、時間とともに発生率が変わるなら一定pを疑います。小さな有限ロットから非復元で大きな割合を取る場合、厳密には超幾何分布になります。正規近似を使うなら、両方の期待個数が十分あるか、必要な尾確率の精度を確認します。

3級の分布の導入と2級の離散分布へ。有限集団との違いを深める場合は1級の離散モデルを参照できます。母比率の区間推定は2級の推定へ進む発展内容です。

不適合確率0.2、独立に5個を調べるとき、1個以上の確率は?

解答・解説

1−0.85=0.672321-0.8^5=0.67232。ちょうど1個の確率とは違います。