19. 研究デザイン・標本調査・標本数
目的からデータを設計する
Section titled “目的からデータを設計する”実験研究は処置を割り付け、観察研究は自然に生じた条件を観測し、標本調査は対象母集団の特性を推定します。無作為抽出は母集団への一般化、無作為割付は群間比較の交絡制御に関わります。前者だけで因果性、後者だけで代表性が得られるわけではありません。
抽出方法を選ぶ
Section titled “抽出方法を選ぶ”| 方法 | 具体例 | 設計上の要点 |
|---|---|---|
| 単純無作為抽出 | 全名簿から乱数で選ぶ | 包含確率が等しい |
| 層化抽出 | 地域別に各層から選ぶ | 層内が似ていれば精度改善。重みを保持 |
| 集落抽出 | 学校を選び校内を調べる | 費用を減らすが校内相関で精度低下も |
| 二段階抽出 | 学校を選び、その中で生徒を選ぶ | 各段の包含確率を掛ける |
| 系統抽出 | ランダムな開始位置から一定間隔 | 名簿の周期性との一致に注意 |
| センサス | 全対象を調査 | 無回答・測定誤差は残る |
非標本誤差にはカバレッジ漏れ、無回答、質問の誘導、測定・入力誤りがあります。標本を増やしても系統的バイアスは消えません。
例題:層別の重み
Section titled “例題:層別の重み”母集団の80%を占めるA層と20%のB層から各100人を取り、平均が50と80なら、単純な標本平均65は母集団平均の推定に不適切です。層化推定量は 。
独立な層化単純無作為抽出なら
層の大きさに比例する配分と、同じ費用の下で とするNeyman配分を区別します。不等確率抽出の総量には (Horvitz–Thompson)という考え方が使えます。
標本数と設計効果
Section titled “標本数と設計効果”単純無作為抽出で比率の95%区間の半幅を0.05にしたい場合、事前の比率が不明なら 、切り上げ385。母集団 が小さければ で有限母集団補正を考えます。
同サイズ の集落内相関が なら設計効果の近似は 。 で1.95です。無回答見込み20%なら必要な有効回答数を0.8で割って募集数を設計します。これは区間精度の設計で、群差の検出力設計とは別です。
1000人の便宜標本は、100人の無作為標本より必ず正確か?
解答・解説
必ずではありません。便宜標本には選択バイアスがあり得ます。分散だけでなく、対象母集団と抽出枠、参加機構を評価します。