7. 生産関数と費用最小化
何のために学ぶか
Section titled “何のために学ぶか”同じ数量を作るにも、人員を増やす、設備を増やす、両方を変えるなどの方法があります。生産理論は技術的に可能な組合せと、その中で費用の小さい組合せを分けて考えます。活動量を追う管理会計と、資源の組合せを選ぶ経済学がつながる分野です。
短期と長期は、調整できる投入で区別する
Section titled “短期と長期は、調整できる投入で区別する”生産関数を とします。労働 と資本 から得られる最大生産量を表す技術的な関係です。短期では少なくとも一部の投入が固定、長期ではすべての投入を調整できると考えます。「短期は必ず1年以内」という暦上の区分ではありません。
例として 、短期の資本が なら 。労働を4から9へ増やすと生産量は4から6へ増えます。労働の限界生産力は で、資本固定のもとでは労働を増やすほど小さくなります。
例題:8単位を最小費用で生産する
Section titled “例題:8単位を最小費用で生産する”労働価格 、資本価格 、目標生産量 とします。長期の費用最小化は、
等量曲線上では 。内点条件は、
したがって 、 より 、費用32です。投入価格が違うので、数量を等しくするのが最適とは限りません。 を代入した費用 の最小化からも求められます。
完全補完技術 なら、代替はできず です。等量曲線の接点条件は、代替可能で滑らかな内点解のときに使います。
限界生産力逓減と規模の収穫
Section titled “限界生産力逓減と規模の収穫”で両投入を2倍にすると、生産量も2倍です。規模に関する収穫一定です。一般の では、指数和が1超なら収穫逓増、1なら一定、1未満なら逓減になります。
「労働だけを増やすと限界生産力が逓減」と「すべての投入を増やすと収穫一定」は両立します。何を固定し、何を増やしたかが違うためです。規模の経済は費用の概念で、技術と投入価格の条件にも注意して対応付けます。
管理会計とのつながり
Section titled “管理会計とのつながり”人件費削減が設備費や保全活動を増やす場合、1科目だけで判断すると全体の費用を見落とします。投入の組合せと、各組合せで発生する活動・資源消費を整理します。実際の生産関数はデータから検証する必要があり、回帰の係数を無条件に技術的因果効果とみなすことはできません。
同じ技術と投入価格で目標生産量を16にしたときの最適投入と費用を求めてください。
解答・解説
より 。費用は64です。目標生産量が2倍になると、最適な両投入と費用も2倍になります。