コンテンツにスキップ

3. 改善・QCストーリー・重点指向

「入力ミスが多いから研修を増やす」とすぐ決めると、実際の原因が似た項目名や画面配置だった場合、負担だけ増えてしまいます。改善は、現状と原因を確かめ、狙った効果が出たかを検証する活動です。一度だけの大改革ではなく、小さな改善を継続することも重要です。

表現や区切り方には違いがありますが、次のように問題から再発防止までをつなげます。

  1. テーマ選定:どの問題に取り組むか、理由を決める。
  2. 現状把握と目標設定:いつ・どこで・何が何件かを調べる。
  3. 活動計画:担当、日程、調査・試行方法を決める。
  4. 要因解析:原因候補を挙げ、データや観察で確かめる。
  5. 対策立案・実施:確認した原因に働きかける。
  6. 効果確認:目標の達成と他への悪影響を確認する。
  7. 標準化と管理の定着:教育・手順・確認方法を整える。
  8. 反省と今後の進め方:残った問題と次の活動を整理する。

報告資料の見出しをそろえるだけのものではありません。なぜその対策を選び、どう確かめたかの論理を残すために使います。

1週間の訂正50件を分類すると、商品コード30、数量12、送付先6、その他2件でした。まず商品コードに注目し、時間帯や入力画面ごとに調べます。「担当者の注意不足」と決めつけず、候補一覧が見にくい、旧コードが残る、転記が必要、といった可能性を確かめます。

候補一覧を改善し、同じ条件の件数・割合がどう変わったか、入力時間が延びていないかを評価します。改善後に訂正が減っても、仕事量が減っただけでないかを確認します。

全部を同時に直すのではなく、影響の大きい対象へ力を集中するのが重点指向です。パレート図は頻度を見る助けになりますが、少数でも安全に重大な問題は別に優先します。件数、損失、緊急性など、選定基準を明らかにします。

3ム意味入力作業の例
ムダ価値に結び付かない余分な作業・資源同じ内容を二重転記する
ムリ能力や条件を超えた要求確認できない時間で処理を強いる
ムラ仕事量・方法などの不ぞろい特定の時間だけ依頼が集中する

確認作業をすべてムダと決めるのは危険です。必要な品質・安全を守る機能を理解し、仕組みを変えて不要にできるかを検討します。

小集団とブレーンストーミング

Section titled “小集団とブレーンストーミング”

職場の小集団改善活動やQCサークルでは、現場を知る人の経験を持ち寄ります。ブレーンストーミングは批判をいったん控え、自由な案を多く出し、他人の案を結合・発展させる方法です。発想段階と評価段階を分けます。多数意見や役職の高い人の意見が、そのまま原因の証拠になるわけではありません。

ミス原因候補を10個出した。次にすぐ全対策を実施すべきか?

解答・解説

候補と確認済み原因は別です。重要な候補から観察・データで確かめ、対策を選びます。全部同時に変えると何が効いたかも分かりにくくなります。